PR

【前編】【110万票の欺瞞】「民意」という濁流が、公用車の赤信号無視すら正当化するディストピア

赤信号で停止するミニバンと背後の群衆を背景に、110万票の罠 信号無視は、合法ですか?という文字が記載された画像。


6/5(金)朝刊チェック: 斎藤元彦に対するプリミティブな怒りを素直に表現しない限り、「兵庫県政の正常化」なんてものは訪れないんですよ。


【結論】
「民意」は絶対的な神託ではなく、絶えず揺れ動き、時に間違える濁流に過ぎない。兵庫県政における「110万票の民意」を免罪符として、公用車の赤信号無視などの不条理を正当化する大衆の思考停止と法治の崩壊に対し、極めてロジカルな警鐘を鳴らす。
【ポイント3選】

わずか2年で反転する数字: オハイオ州やソウルの選挙結果に見る、民意という濁流の恐るべき振れ幅と軽薄さ。
選挙は免罪符ではない: 「110万票」という民意の物差しで、法律やルールの解釈という絶対領域を歪めてはならない。
北朝鮮じみたディストピア: 選挙で勝てば公用車の赤信号無視すら合法化されるかのような、大衆の思考停止への強烈な危機感。

【完全版】動画タイムスタンプ&要約辞書

【クリックで展開】全118箇所のタイムスタンプと要約を表示(動画の取扱説明書)

絶えず動き、そして間違える。「民意」という名の恐るべき濁流

「110万票の兵庫県の民意という言葉に、何の説得力があるんですかと我々は言わなきゃいけないんです」

(※民意という名の暴力に直面した夜、狂った大衆に抗うための冷徹な解剖が始まる)

【実況(コラム):別れなはれとノンバーバルコミュニケーション】

あのね、なんでこんな声が出えへんのやと。さっきまで普通に喋れてたのにな。まあ、皆さんに迷惑かけたらあかんので、開始直前30秒使って発声練習的なことしてるんです。毎日やってるから今日は調子ええな思たら、出だしこけましたね。こういう日はもがくと泥沼にはまるんで、頭の中に去来するよしなしごとを、そのまま声帯震わせて言葉にしていこうと思いますわ。

ミヤコ蝶々の肖像とGOD SAVE THE CHOCHOというロゴが青色でプリントされた白いTシャツを着た菅野完。背景には本棚が見える。

そう、これミヤコ 蝶々先生のTシャツです。去年の夏ね、友達が「嫁はんと離婚しようとしてる」って、若い男作られよったとかで愚痴聞かされてたんですよ。でもね、他人の家の揉め事なんか知らんやん。 ええ歳こいた男と女がどないしようが興味ないし。せやけど、そいつが悩んどるし、次から次へと電話かかってきて飯食おうとか言われて。ほんまの事言うたらあかんと思て、このTシャツ着て会うことにしたんです。

昔の「女の110番」の蝶々先生のつもりで、俺の胸から「別れなはれ」って言うてるつもりやったんです。これ、北方謙三やったら「ソープへ行け」になるわけですけど。でもね、伝わり合いゼロ。全く伝わってませんでしたわ。こういうのをノンバーバルコミュニケーションって言うんです。そら伝わるはずないんですよ。1年経って気づいたんですけど、男同士で差し向かいで飯食う時、カウンターに座ってるでしょ。あいつこっちにおって、俺ここにおんねんから、蝶々先生こっち向いてんねん。見えてへんねんそもそも。俺の立ち位置、南都雄二やないか。

もりきょうすけと書かれたテロップを背景に、自身のTシャツについて笑顔で手振りを交えながら語る菅野完。

「民意」という言葉は、しばしば絶対的な神託のように扱われる。 特に、選挙という民主主義の儀式を経た直後において、マスメディアも大衆も、その叩き出された数字の前に平伏し、一切の異論を挟むことを自ら禁じてしまう。しかし、その「民意」なるものは、我々が信じ込まされているほど盤石で、永遠不変の真理などではない。民意とは、絶えず揺れ動き、その時々の情動やローカルな不満に流され、そして極めて高い頻度で「間違える」不気味な濁流に他ならない。

わずか2年で反転する数字の正体

その冷徹な事実を証明するために、まずは海の向こうの数字を見てみよう。つい先日行われたアメリカ大統領選挙において、「カマラ・ハリスが歴史的大敗を喫し、リベラルが完全に拒絶された」という言説がまことしやかに語られている。

しかし、ポピュラーボート(一般投票)の総得票率を精査すれば、トランプ陣営が49.8%、ハリス陣営が48.3%。その差はわずか1.5%に過ぎない。「リベラルが嫌われた」と騒ぎ立てたい層が針小棒大に吹聴しているだけで、実際には極めて僅差のせめぎ合いなのだ。

さらに注目すべきは、トランプがポピュラーボートにおいてダブルスコアに近い圧勝を収めた「オハイオ州」の不可解な現象である。あの熱狂的なトランプ支持を見せつけたオハイオ州で、わずか2年後に行われた上院議員選挙の予備選において、なんと民主党候補がリードを奪うという事態が起きている。

「2年前にトランプ大統領に熱狂した人たちが、たった2年経ったら『トランプあかん』って言うてるんですよ。民意って何やねんって話です。これぐらいの振れ幅で、オハイオの民意は動いたわけです」 [▶ 0:38:31]

この現象はアメリカに限った話ではない。韓国・ソウルにおいても同様のグロテスクな反転が起きている。わずか2年前、戒厳令という暴挙に出た尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対し、身を呈して抗い、逆クーデターをねじ伏せたのは他ならぬソウル市民であった。その圧倒的な民意の力によってリベラル政党が全国で圧勝する中、なぜかソウル市長選挙においてだけは「右派」が勝利を収めているのである。不動産価格の高騰や物価高といった、極めてローカルで生活密着型の不満が、つい先日までの国家規模の危機感や理念をいとも簡単に上書きしてしまう。「あの機関銃を持った兵隊に立ち向かったソウル市民」が、物価高を理由に右派の市長を選ぶ。これが「民意」というものの正体であり、どうしようもない軽薄さなのだ。

韓国の地方選結果を報じる新聞記事。ソウル市長選で与党が敗退し、不動産高騰が影響した旨が記されている。

1度出た答えは永遠ではない

我々は、この残酷な事実から目を背けてはならない。先の東京都知事選挙において、石丸伸二氏が獲得したあの膨大な票数と熱狂。あの「民意」は、もし仮に明日もう一度選挙をやったとして再現できるか。「もっぺん取れるかい。それどう考えても無理やと思うでしょ。ないでしょ」 なのである。石丸氏に投票した有権者を愚かだと断罪したいわけではない。純粋な論理の問題として、1回出た答えが永遠に続くなどという前提は、この社会のどこにも存在しないのだ。

だからこそ、我々は定期的に選挙を行っている。「民意というものは移ろいゆくものである」 という冷徹な大前提があるからこそ、民主主義はシステムとして定期的なリセットを組み込んでいるのだ。右へ左へ、上へ下へと絶え間なく動き続ける。そして、時に決定的な過ちを犯す。それが民意である。その揺れ動く「濁流」を、我々はなぜか選挙の直後だけ「神の声」であるかのように錯覚し、思考を停止させてしまうのである。

110万票は免罪符ではない。兵庫県政に見る「法治の崩壊」

民意が絶対的な真理ではなく、絶えず移ろいゆく不確かなものであるという前提に立つならば、我々は現在進行形で起きている「兵庫県政の狂気」に対して、全く異なる視座を持たねばならない。斎藤元彦知事が獲得した「110万票」。この数字は確かに直近の選挙結果として現れた民意の一つの断面ではある。(それが歴代最低の得票率であるという事実は一旦脇に置くとしても、だ。)だが、問題の核心はそこではない。「110万票という民意を盾に取れば、何をやっても許されるのか」 という、法治国家の根幹を揺るがすディストピアが、今まさに兵庫県で展開されているという事実である。

民意という物差しで測ってはいけない絶対領域

社会には、どれだけ強大な「民意」が示されようとも、決してその物差しで測ってはならない、歪めてはならない「絶対領域」が存在する。法律やルールの解釈が、選挙結果によって捻じ曲げられるようなことがあれば、それはもはや民主主義ではなく、単なる「多数派による暴政」である。

「この道は制限速度60kmやけど、斎藤さんに投票した人は80kmまで出せますって、そらアカンでしょ。民意だけで決めてはいけない領域というのは、社会には絶対あるんです。揺れ動く民意という物差しで動かしてはいけない物差しが別にあるんです」 [▶ 0:49:57]

正当化される不条理と大衆の思考停止

この危惧は、決して机上の空論ではない。水谷氏の検証動画によって白日の下に晒された、斎藤元彦知事が乗る公用車の「赤信号無視」。カメラが捉えた明確な違法行為に対し、社会はどのような反応を示したか。「選挙で勝ったのだから」「110万票の民意を得たのだから」と、まるでその不法行為すらも正当化されるかのような薄気味悪い空気が醸成されていないか。

「選挙に通ったから赤信号オッケーならんでしょ。ならんのですよ。いや、これが知事の指示によってなされたのか何なのかっていうことだが、これがね、選挙の結果出てるからって正当化されてはいけないんですよね」

これは単なる交通違反のスケープゴートではない。公益通報者保護法違反という重大な疑惑から、赤信号の無視に至るまで、ありとあらゆる「社会のルール」が「110万票」という数字の前にひれ伏し、無効化されていく恐怖。民意という名の濁流が、法治という最後の堤防を決壊させようとしている。我々が対峙しているのは、斎藤元彦という一個人の問題を超えた、「選挙で勝てば赤信号すら合法化される」という、まるで北朝鮮のようなディストピアに堕ちていく社会の構造そのものなのだ。

公用車の違反行為が選挙での勝利を理由に正当化され、異常検知が機能せず大衆の思考停止に至る過程を示す概念図。

【実況(コラム):アホアホ答弁とトランプの嫉妬】

長瀬産業がナフサ由来の原料を減らすため、おむつ吸水材にでんぷんを使用し、供給リスク分散と環境負荷低減を図る新聞記事。

しかしまあ、今日の新聞ナナメ読みしてて思うんですけどね、読売と日経が「ナフサがない、ナフサがない」ってずっと騒いでるんですよ。オムツの吸水ポリマーの原料ね。日経新聞言うたら大企業の提灯持ち、読売言うたら霞が関のちょうちん新聞でしょ。つまり、大企業と役人が「ナフサがなくて困り果ててる」って悲鳴上げてるわけです。ないないないって言うてんのに、アホの高市早苗だけが「あるあるあるある」って神懸かった答弁してるんですよ。

新聞記事の一部に赤枠で囲まれた、米NATO有事の戦力削減に関する見出しと本文。

あとアメリカね。トランプがNATOの協力体制見直す言うて拗ねてるんです。「俺がイランと戦争してんのに、お前ら協力せえへんのか」と。まあアメリカの右翼は昔から「なんでよその国助けなあかんの」ってナショナリズムやからね。

トランプ氏の後継者選びに迷う状況を報じる新聞記事。バンス氏との関係や共和党候補になる確率の推移を解説している。

あとJDバンスの扱いに困ってるって話。これ、単純な嫉妬ですよ。自分の陣営の若手が人気出てきたから、おもろなくて悪口言い出してる。

指で押さえられた新聞記事の一部。ネタニヤフ首相がトランプ氏との関係について言及した内容。

トランプがネタニヤフ罵倒した時も、ネタニヤフ「トランプは最高の友人です」ってショボショボ答えてたらしいやん。かっこ悪いよねえ。ほんま権力者のアホさ加減というのは、洋の東西を問いませんわ。[▶ 2:13:04]

たもっちゃん
たもっちゃん

ここまで読んで、「なるほど、110万票なんてただの移ろいゆく数字で、絶対の免罪符やないんやな。民意って怖いな」で満足してページを閉じるなら、そら別に構いません。一つの事実ではありますからね。

ただ、その「間違える民意」という濁流を前にして、安全な場所から「大衆の思考停止って嫌やな」って評論家ぶってるだけやったら、次は何が起きるか。法治国家の根幹や、人間として超えちゃいけない一線までが、選挙で勝ったというだけの理由でズルズルと塗り替えられていくんです。

狂った空気に抗う時に、「そんな過激な言葉を使ったら世間から共感されへんよ」とか「もっとお行儀よくやらなアカン」なんて顔色をうかがってたら、結局自分もその濁流に呑まれて終わりです。人が死んでるのに「いかがなものか」で済ます非人間的な権力に対して、なぜ僕らが甘ったるい「共感」なんか捨てて、最もロジカルな感情である「怒り」を突きつけなアカンのか。このあたりの「共感至上主義の罠」については、続く第2回でみっちり解剖してます。

今の兵庫の、いや日本の惨状を「大衆はアホや」って冷笑するだけで終わらせず、じゃあ自分はこの泥水の中にどうやって杭を打ち込むんやと、もう一段深く知りたいという奇特な方は、そのまま第2回も覗いてみてもらうと、絶望の中で気高く在るための解像度が上がるんちゃうかなと思いますわ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました