支持者の「一手」が招いた皮肉な結末:斎藤知事の懲戒請求問題と兵庫県弁護士会の裁定が意味するもの - 菅野完 朝刊チェック 文字起こし
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支持者の「一手」が招いた皮肉な結末:斎藤知事の懲戒請求問題と兵庫県弁護士会の裁定が意味するもの

斎藤元彦
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1. はじめに:斎藤知事を追い詰めた「支持者による懲戒請求」というブーメラン

2025/11/5YouTube動画11/5(水)朝刊チェック:高市早苗政権の最大の支援者は、東京新聞や週刊金曜日を読んでいるアホリベラルであるの情報を基にした記事です

兵庫県の斎藤元彦知事を巡る内部告発問題は、新たな局面を迎えている。しかし、その引き金を引いたのは、知事を批判する勢力ではなく、皮肉にも知事を守ろうとした支持者たちの一手であった。

本記事では、斎藤知事の潔白を証明する目的で支持者らが行った「懲戒請求」が、いかにして意図とは真逆の結果を招き、知事をさらに不利な状況へと追い込んでしまったのか、その経緯と構造を兵庫県弁護士会の決定通知を基に詳しく解説する。これは、善意が戦略なき暴走へと転化し、自らが守るべき対象に致命傷を与えてしまった政治的悲喜劇の記録である。

2. 無罪証明から有罪証明へ:支持者による「形だけ」の懲戒請求

この問題の発端は、知事の潔白を信じる支持者たちの行動にある。彼らの意図は純粋だったのかもしれないが、その手法は「アホでしょ」「逆 に 有罪 証明 さ れ て しま てん ねん」と評されるほどの、驚くべき浅慮に満ちたものだった。

2.1. 目的は「無罪のお墨付き」:懲戒請求の意図

斎藤知事の支持者たちは、なぜ県を代理した弁護士に対する懲戒請求を兵庫県弁護士会に行ったのか。その目的は、支持者の一人が自ら語った以下の言葉に集約されている。

斎藤知事が広域通報保護法に違反してないという兵庫県弁護士会の決定を引き出すために形だけ請求しました

彼らの狙いは、弁護士会に「知事の行為は公益通報者保護法に違反しない」という公式な「お墨付き」を出させることだった。問題を法的に解決するためではなく、無罪という結論を形式的に引き出すためだけの、政治的なパフォーマンスだったのである。なぜこのような内幕を自ら明かしてしまうのか、その戦略性の欠如には呆れるほかない。

2.2. 結果は「有罪の証明」:完全に裏目に出た戦略

しかし、この「無罪証明」を狙った戦略は、政治的悲喜劇として完璧なまでに裏目に出る。支持者たちは、弁護士会を自らの主張を追認するだけの機関と見誤った。しかし、法的手続きを正式に開始した瞬間、彼らは自らと知事の運命を、自分たちの望む政治的結論ではなく、厳格な法的定義の手に委ねてしまったのである。

良かれと思って起こした行動が、意図とは真逆の「有罪証明」に繋がるという結末は、必然だった。彼らはパンドラの箱を開けてしまったのだ。その結果もたらされたのは、斎藤知事側にとって極めて不利な、そして法的に決定的な事実認定であった。

3. 兵庫県弁護士会による「死刑宣告」:決定通知の要点

支持者たちの請求に対し、兵庫県弁護士会は9月30日付で回答を出した。この内容は、斎藤知事側にとってまさに「死刑宣告」とも言える、反論の余地を打ち砕くものだった。以下にその要点を解説する。

3.1. ポイント1:弁護士への依頼は「事実関係の調査ではない」

まず弁護士会は、県が顧問弁護士に依頼した業務の範囲が極めて限定的であったことを指摘した。

事実関係の調査を依頼されたものではなく、人事から求められた法律相談に対し基本的に人事から もたらされた資料をもに法的見解を回答したものであって

これは、弁護士が客観的な事実調査を行ったのではなく、あくまで県の人事課から提供された限定的な資料に基づき、法的見解を示したに過ぎないことを意味する。つまり、県側の主張を前提とした上での回答であり、告発内容そのものの真偽を判断したものではない、ということが公式に示されたのだ。

3.2. ポイント2:元県民局長の行為は「本件外部通報」であると認定

次に、今回の決定通知の中で最も重要かつ致命的な一撃が、元県民局長による告発行為の性質に関する認定である。

元県民局長が行った本件外部通報に関し

弁護士会は、この告発を法律上の「外部通報」であると正式に認定した。支持者たちは「知事は法に違反していない」という決定を求めたにもかかわらず、弁護士会は告発の正当性を議論する以前の前提として、その行為が法律で保護されるべき「外部通報」にあたると判断したのである。この一文こそが、知事側の主張の根幹を崩壊させる法的根拠となった。

3.3. ポイント3:「外部通報」に対する「通報者探し」は許されない

この「外部通報」という認定が、法的に決定的な意味を持つ。公益通報者保護法では、告発が「外部通報」と見なされた場合、組織による「通報者探し」は明確に禁じられているからだ。

つまり、支持者たちの請求をきっかけに弁護士会が「これは外部通報である」と公式に認定したことで、その通報に対して県が行ったとされる「通報者探し」が、まさに法律で禁じられた違法行為であったことを間接的に証明してしまう結果となったのである。擁護のための行動が、違法性の証明に直結するという、これ以上ない皮肉な構図だ。

4. 結論:なぜ善意の行動が最悪の結果を招いたのか

今回の問題の流れを整理すると、杜撰な戦略が招いた破滅の連鎖が見て取れる。

  • 支持者の意図: 知事の潔白を証明し、「無罪のお墨付き」を得たかった。
  • 支持者の行動: そのための方便として、法的リスクを顧みず形式的な懲戒請求を行った。
  • 弁護士会の回答: 告発行為を法律上の「外部通報」であると公式に認定した。
  • もたらされた結果: 「外部通報」に対する県の「通報者探し」が違法行為であったことを決定的に裏付けてしまった。

斎藤知事の支持者による今回の行動は、善意や良かれという思いが、専門的な知見や戦略の欠如によって最悪の結果を招いてしまう典型例と言えるだろう。本来であれば、政治的なメッセージングや世論形成に注力すべきところを、予測不能な結果を招きかねない法的手続きに軽々しく踏み込んだことが最大の失策であった。知事を守るための一手が、結果的に知事を追い詰めるブーメランとなった今回の騒動は、政治運動における戦略の重要性を痛切に物語っている。

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