日本の異常な社会状況というより大きな文脈で人口減少問題について述べている核心は、単なる数字の減少ではなく、戦後の社会構造と失敗が80年後に表面化した「異常事態」であるという点です。 - 菅野完 朝刊チェック 文字起こし
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日本の異常な社会状況というより大きな文脈で人口減少問題について述べている核心は、単なる数字の減少ではなく、戦後の社会構造と失敗が80年後に表面化した「異常事態」であるという点です。

菅野完

具体的な人口減少のデータと、それが地方社会の崩壊を通じてどのように現れているかを詳細に説明し、その根本原因を戦後の歴史的経緯、特に戦争との関連に求めています。

1. 人口減少の深刻な現状と異常性

日本の人口減少の規模を「異常事態」として強調しています。

  • 驚異的な減少速度: 毎年、86万人もの人口が減少しており、これは都道府県一つ分の人口が毎年消滅しているに等しいと述べています。具体的には、秋田県一つ分が毎年減っている計算になります。
  • ゼロへの予測: この減少ペースが続けば、約200年後には日本に住む人がゼロになるという計算が紹介されています。
  • 外国人増加を含めても減少: 外国人が毎年30万人増えているにもかかわらず、差し引きで86万人減っているため、純粋な減少幅は100万人を超えていると指摘されています。

この急速な人口減少は、現在の日本の社会状況の根幹を揺るがす「異常性」を示しています。

2. 社会状況の崩壊としての人口減少

人口減少は特に地方の社会構造を溶解・崩壊させていると表現されています。

  • 地方の変化の象徴 地元の奈良県では、かつてラブホテルだった施設が、約15年前には介護施設に変わり、そして最近では葬儀場に変わっている事例が示されています。これは、地方社会におけるライフサイクルの停滞と、高齢化・死亡率の上昇を象徴しています。
  • 都市近郊の異変: 都市と郊外の境目(都市近郊部)は葬儀場だらけになって おり、競争が激しい状況です。さらに、これらの葬儀場が「事前予約受付中」という張り紙を出していることに対し、その異常性(「明後日死にそうなんですが予約できますか?」)に驚きを示しています。
  • 歴史の循環(皮肉): 30年後には、現在の墓地や葬儀場がさらに別のものに変わるかもしれないと、手塚治虫の『火の鳥』のような歴史の循環を皮肉的に暗示しています。

3. 根本原因としての「戦争」と歴史的な失敗

話者は、現在の人口減少問題を単なる少子化ではなく、日本の戦後史における構造的な失敗、特に「戦争」がもたらした結果だと強く主張しています。

  • 戦後の影響: 人口減少や少子高齢化は、80年経ってもまだ戦争の影響が続いていることだと解釈されています。
  • 団塊の世代の誕生: そもそも団塊の世代が生まれたのは、戦争が終わり、人々が帰還し、仕事も飯もないから「同じ布団で寝るしかない」状況で一気に子供が増えたためだと説明されています。
  • 高度経済成長の虚構: その後の高度経済成長は、日本人の工夫や努力ではなく、人口増加という規模の経済と、アメリカが中国やソ連の脅威に対抗するために「防波堤」として日本にジャブジャブ金をつぎ込んだ結果であると分析されています。
  • 「何も努力をしていない」という現実: 日本人は「セックスをして他人の金で戦争の裏で儲けただけ」が現実であったにもかかわらず、その厳しい現実を直視できない弱い人々は、日本会議などが作り上げた「美しい物語」に逃げ込んでいると論じています。
  • 世代間の断絶: 戦後、人口が増えて経済大国となった一方で、その次の世代である団塊ジュニア世代(就職氷河期世代)は「死ね非正規で死ね」と放置された結果、その次の世代(第3世代)が生まれず、現在の深刻な人口減少につながったと結論づけています。

このように、菅野氏は人口減少を、戦後の歴史的経緯と、その現実を覆い隠す社会の「異常性」を象徴する現象として位置づけています。

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