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【第3回】トキと水俣病の残酷な時間差。「チッソのような大企業が悪いことをするはずがない」という致命的妄信

トキ保護センターの職員が大切にトキを抱きかかえ、その背後には暗い路地でうずくまって眠る一人の男性がいる対照的な光景。


6/1(月)朝刊チェック:「サヨクのせいだー」という田舎の弱者向けの言論もどきにチャレンジしてみる回


【結論】
美しい「トキ放鳥」ニュースの裏に潜む日本社会の病理。トキの有機水銀死は即座に認定されたが、水俣病の人間は25年放置された。その理由は「チッソのような大企業が悪いことをするはずがない」という国民の思考停止である。左翼が作った労働法に守られながら高市早苗を支持する敗残者の矛盾を暴く。
【ポイント3選】

残酷な時間差: トキの死因は即断、人間の命は25年放置のグロテスク
大企業信仰: 犯人が特定できない時だけ被害を認める思考停止国家
弱者の女王と矛盾: 資本主義に見放された高市早苗と、左翼を憎む田舎の弱者の絶望
たもっちゃん
たもっちゃん

この第3回から読み始めてもらうのも、そら別に自由ではあるんです。でもそれって、サスペンス映画で言うたら「犯人の名前だけ先に知って、どうやって密室トリックを作ったか飛ばしてまう」ようなもんでね。

今回の記事では、「チッソみたいな大企業が悪いことするはずない」っていう、この国にこびりついた不気味な大衆の「権力信仰」について話します。せやけど、なんでそんな思考停止がいつまでも再生産され続けるのか。その裏には、田舎の弱者に媚びへつらって「何でも左翼のせいや!」と陰謀論を叫んで小銭を稼ぐ、自称インテリどもの浅ましい存在があるんですわ。

熱中症対策の水差し入れを「左翼の工作や」と騒ぎ立てる彼らの狂気と、戦前の特高警察に密告してた連中の本質がいかに同じか。そのグロテスクな「知性の劣化」については、一つ前の第2回でみっちり解剖させてもらいました。

別に強制はしませんけど、本気でこの国の病理の「根っこ」を知りたい奇特な方は、ちょっとだけ遠回りして第2回から順番に目を通してもらう方が、結果的に「なんでこんなアホなことになってんねや」っていう絶望の解像度がグッと上がるんちゃうかなと思いますわ。

「トキが有機水銀で死んでるのはすぐ認められるのに、人間が苦しんでる時は『チッソみたいな大企業が悪いことするはずない』って25年も認めんかったんや。……残酷でしょ、日本人って」
(※今日は、この国の救いようのない「大企業信仰」と「権力への盲従」について、徹底的にやるで)

美しいニュースの裏には、往々にしてこの国のグロテスクな本質が隠されている。読売新聞の片隅に掲載された「トキの放鳥」という記事。一見すると自然保護の美談にしか見えないこの小さなニュースは、日本社会が根深く抱え込む致命的な病理――権力と大企業への盲信と、命に対する冷酷なダブルスタンダード――を見事に抉り出しているのである。

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水俣病とトキの死因認定に見る、日本人の「グロテスクな時間差」

人生の70年を捧げた101歳の執念と、トキが滅んだ本当の理由

石川県能登で行われたトキの放鳥式典で、ケージから飛び立つトキを見守る101歳の村本義雄氏ら関係者の様子を報じる新聞記事。

記事によれば、石川県羽咋市でのトキの放鳥式典に、村本義雄さんという101歳の男性が立ち会ったという。彼はその長い人生のうち実に70年もの歳月をトキの保護と復元に捧げてきた。前半の14年間は滅びゆくトキを守るために奔走し、絶滅した後の56年間は再びトキを日本の空に舞わせるための活動に費やしたというのだ。この凄まじい執念と献身には、ただただ頭が下がる思いである。

しかし、私たちが直視しなければならないのは、「なぜトキは一度日本から姿を消したのか」という真の理由である。一般的には乱獲が原因だとされている。確かに、トキは鈍臭いため、食べるものがなかった時代に飢えた人間の手軽な食料にされてしまったという側面はある。だが、真の死因は別にある。農薬、そして「食物連鎖による有機水銀の蓄積」である。

「農村部で水路がどんどん暗渠(蓋をして見えなくすること)にされたやんか。ゴミ掃除が大変やからって。水路が暗渠になったらトキは魚食べられへんから、大河川に集中するわけや。ほんで、その大河川の魚が有機水銀を溜め込んでて、それをトキが食べて死んでいったんや。……これ、何と同じ原因か分かるか?阿賀野川(第二水俣病)とか、水俣病と全く同じなんですよ」[▶ 02:22:08]

人命には25年かかり、鳥の死因は即断される残酷な現実

ここからが、この国の真に恐ろしいところである。水俣病において、現場の医師が「原因は有機水銀だ」と警告を発してから、国が正式に企業の責任(有機水銀のせい)だと認めるまでに、実に「約25年」という途方もない年月が費やされた。その間、どれだけの人間が苦しみ、絶望の中で死んでいったか。

一方で、トキの減少が始まり、「トキが死んでいるのは有機水銀のせいだ」という結論に至るまでのスピードはどうだったか。水俣の人々が25年放置されたのとは対照的に、トキの死因認定は驚くほどあっさりと、そして迅速に行われたのである。苦しむ人間の命には25年かかり、鳥の死因は即座に認定される。この絶望的なまでの時間差の対比に、私はトキのニュースを見るたび、日本人のえぐさと残酷さを思い知らされるのである。[▶ 02:23:22]

「チッソのような大企業が悪いことをするはずがない」という致命的妄信

犯人が特定できない時だけ被害を認める思考停止国家

なぜ、このような残酷な時間差が生じたのか。その答えはただ一つ。水俣病の加害者が、「チッソ」という巨大企業だったからである。

当時の日本社会は、「チッソのような立派な大企業が、そんな悪いことをするはずがない」「大企業なのだから、やっていることに間違いはないだろう」という、思考停止の盲信に完全に支配されていた。明らかな因果関係と被害者の叫びが目の前にあるにもかかわらず、加害者が大企業であるというただそれだけの理由で、権力も社会も最後の手前まで事実を認めようとしなかったのだ。

逆に、トキの場合はどうだったか。トキはいろいろな川を飛び回り、あちこちで魚を食べてくる。つまり、その魚に蓄積されていた有機水銀が、どこの工場の、どの企業の排水から出たものなのか「広範囲すぎて犯人を特定できない」のである。

「指差す先がない時だけ、『あ、トキは有機水銀で死んでますね』ってすぐ言えるねん。でも、チッソみたいに『こいつが確実に犯罪者や』って分かってる時は、『いやいや大企業やから』って言うて、何十年も認めへんかったんや。犯人が大企業かどうか分からへん時だけ被害を認める。……ほんまに卑怯で残酷な話やと思えへんか?」[▶ 02:26:37]

graph TD
    subgraph 有機水銀による被害
        T["トキの大量死"]
        H["人間の苦しみ: 水俣病"]
    end

    subgraph 日本社会の認知構造
        B["大企業信仰と権力への盲従"]
    end

    T -->|"犯人が特定できない"| C{"責任追及の回避"}
    H -->|"犯人がチッソという大企業"| B

    C --> D["即座に被害認定"]
    B --> E["約25年間の放置と黙殺"]

    D -. "命の軽重の逆転" .-> E
    
    B --> F["左翼を憎み権力にすがる田舎の弱者"]
    F --> G["高市早苗支持層の矛盾"]

    style B fill:#333,stroke:#000,stroke-width:2px,color:#fff
    style D fill:#f9f9f9,stroke:#333,stroke-width:1px
    style E fill:#ffcccc,stroke:#ff0000,stroke-width:2px
    style F fill:#ff9999,stroke:#cc0000,stroke-width:2px,color:#fff
  

学名「ニッポニア・ニッポン」が中国からの寄贈で空を飛ぶ壮絶な皮肉

大企業への妄信というグロテスクな社会構造によって、日本は自国のトキを絶滅に追いやった。そして今、羽咋の空を飛んでいるトキは、中国からの寄贈をベースに繁殖したものである。トキの学術名が「ニッポニア・ニッポン」であることを思えば、これほど壮絶で、これほど情けない歴史的皮肉があるだろうか。「ああ、やっぱりトキは『日本(の象徴)』やな」と、暗澹たる思いを抱かざるを得ない。[▶ 02:27:45]

政策皆無の「弱者の女王」高市早苗を支持する敗北者たち

読売・日経の狂気と「左翼と中韓が嫌がるから」という絶対軸

権力や大企業を妄信し、事実から目を背けるこの国の精神性は、過去の公害問題だけでなく、現代の政治報道や大衆の投票行動にも全く同じ形で引き継がれている。

新聞紙面で内閣支持66% 3ポイント低下の見出しが強調された記事。日経世論調査の結果を報じている。

例えば本日の日経新聞。「内閣支持率66%、3ポイント低下」という記事を一面トップで大騒ぎしている。支持率が66%もある状態での3%の低下など、どう考えても「誤差の範囲」である。しかし、政府や東証プライム上場企業の提灯記事を載せ続ける企業宣伝紙である日経新聞にとっては、それが嬉々として報じる「一面トップ」になるのだ。彼ら経済界が安倍晋三の時は「安倍万歳」を繰り返していたのに、高市早苗には冷淡なのはなぜか。資本主義のリアルな論理から見て、彼女の主張が純粋に頭が悪く、金儲けの邪魔(資本主義の敵)にしかならないからだ。

「で、そんな高市早苗を支持してる層って誰や?俺は『弱者の女王』って書いたけど、社会の敗残者しかおらへんのよ。彼らに『高市早苗の政策って何?』って聞いても、誰も答えられへん。政策なんかないんやから。ただ単に『左翼と中国と韓国が嫌がるから』。それだけやねん。嫌がらせしたいだけ。それが彼らの政治的判断の絶対軸なんや」[▶ 02:16:33]

左翼が作った労働法に守られながら左翼を憎む絶望的な矛盾

彼ら田舎の弱者たちは、1日8時間労働や、8時間を超えたら1.25倍の残業代がつくという労働法に守られて日々の生計を立てている。その制度は、彼らが忌み嫌う「左翼」が、かつて命懸けで権力と戦って作り上げた血の結晶である。

それにもかかわらず、彼らはその制度の恩恵にどっぷりと浸かりながら、「左翼が嫌がるから」というひたすらに薄っぺらいルサンチマンだけで高市早苗を熱狂的に支持する。自らの権利を守ってくれた歴史を憎み、自分たちを搾取する大企業や権力の強者の理屈だけを無自覚に盲信し続ける。この絶望的なまでの無知と矛盾こそが、有機水銀の海でひっそりと死んでいった「ニッポニア・ニッポン」よりもさらに救いようのない、現代日本のリアルなのである。

たもっちゃん
たもっちゃん

これで、この一連のコラムもひと段落ですわ。

全3回を通して皆さんに伝えたかったのは、単なる特定の政治家やインテリへの悪口やないんです。選挙の多数決という「正解」にすがりつく弱者の心理(第1回)、それに媚びて陰謀論を撒き散らす知識人の軽薄さ(第2回)、そして大企業の言うことなら「悪いことするはずない」と妄信してしまう日本社会の病理(第3回)。これら全部、根っこは一つで繋がってるんやということですねん。

権力というブラックボックスに「考えること」を全部丸投げして、多数派の側に立って安心しようとすると、次は何が起きるか。いざ自分が苦しい立場になったとき、水俣病の患者さんたちのように25年も放置されて、都合よく見殺しにされるんですわ。思考停止の代償は、結局自分らの命と尊厳で払わされることになりますねん。

テレビやSNSが流す「情緒的な怒り」や「思考停止した自己責任論」というノイズを全部取り払って、権力者たちの打算をただ残酷なまでに解像度高く見つめてみてください。これまで「なんとなく」見ていた政治の景色が、少しは違って見えてきているんちゃいますかね?

実はそれこそが、この地獄みたいな閉塞感を打破するための、最初で唯一の「正攻法」なんですわ。見えなかったものが見えるようになった今、ここから先、あなた自身が何に怒り、何に投票し、どう生きていくのか。それを決めるのは、私でも、爪の伸びたインテリでも、権力でもなく、あなた自身の「頭で考える力」ですからね。お互い、しんどいけど踏ん張って考えていきましょうや。

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