近代社会のバグとしての「おっさん」― なぜ彼らは害悪なのか 菅野完の分析から読み解く | 菅野完 朝刊チェック 文字起こし
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近代社会のバグとしての「おっさん」― なぜ彼らは害悪なのか 菅野完の分析から読み解く

2025/12/8(月)朝刊チェック:すべての愛国者は、高市早苗内閣総理大臣の中国に対する冷静かつ毅然とした対応に深く感謝し首相官邸を遥拝すべきである!

菅野氏は、この国の組織、社会、そして国家そのものを蝕む根深い病理について分析します。一見すると複雑怪奇に見えるこの国の機能不全ですが、その病根は驚くほど単純な場所に巣食っています。それは、皆さんの身の回りにもいるであろう、「おっさん」と呼ばれる存在の精神構造そのものです。彼らは単に古い世代なのではありません。近代社会というシステム上で実行されると、必ずフリーズやクラッシュを引き起こす、致命的なバグを内包した存在なのです。

この問題の深刻さを理解していただくため、まずは菅野氏が体験した、ある一本の電話の話から始めましょう。仕事も終えてくつろいでいる時間に、見知らぬ番号から電話がかかってきました。出てみると、明らかに呂律が回っていない高齢男性の声です。彼はこう言いました。「あんたのYouTubeを見て感動した。だから、あんたと話がしたい」。田舎に住み、酒を飲んでいるであろうその男の要求は、あまりに一方的で、支離滅裂でした。

この一本の電話は、決して単なる一個人の迷惑行為ではありません。これは、日本の男性社会が抱える病理――すなわち、コミュニケーションの根源的な暴力性近代社会への絶望的な不適応、そして最終的に組織や国家を破綻に至らしめる精神構造――その全てを凝縮した、極めて象徴的な症例なのです。この男の頭の中にある回路は、彼一人のものではありません。それは、かつてこの国を無謀な戦争へと導き、今なお巨大組織を内部から腐敗させ続けている、恐るべき集団的病理の末端なのです。

菅野氏は、この「おっさん」という名のバグを徹底的に解剖します。彼らがどのような思考回路を持ち、その思考がいかにして社会全体にとって「害悪」となり得るのか。その構造的な欠陥を、冷徹に解き明かします。

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1. 根本診断:機能なき「属性」と「情緒」の支配

まず、我々が生きるこの近代社会、特に資本主義社会が、どのような原理原則――いわばOS(オペレーティングシステム)――によって駆動しているのかを定義しなくてはなりません。このOSを理解して初めて、なぜ日本の高齢男性という存在が、システム全体を脅かすほどの致命的なエラーを引き起こすのか、その根本原因が見えてきます。

資本主義社会で生き残るために必須の能力は、極めてシンプルです。それは菅野氏が**「ドライな感性」**と呼ぶものに集約されます。これは「利潤の追求」と「合理的思考」を最優先する精神性のことであり、そこでは個人の能力、すなわち「機能(Function)」が絶対的な評価基準となります。仕事ができるのであれば、その人間が「男であろうが、肌の色が何色であろうが関係ない」。これが、グローバルスタンダードとしての近代社会のルールです。

しかし、悲しいかな、日本の男性、特に昭和の教育を受けた層には、この「ドライな感性」を持つ人間がほぼ皆無です。彼らの行動原理は「機能」ではなく、**「属性(Attribute)」「情緒(Sentiment)」に支配されています。彼らをがんじがらめに縛り付けているのは、「地域社会の礼儀作法」や家庭における「長幼の序」といった、前近代的で同質的な社会でのみ通用する古臭い「徳目」**です。これらは、共産主義社会や封建社会では美徳とされたかもしれませんが、契約と論理で動く現代資本主義社会においては、日本人を近代人になるチャンスから永遠に隔離する、呪いの「足枷」でしかありません。

F1レースに神輿で挑む愚行

この致命的な不適合を、一つの比喩で説明しましょう。彼らのやっていることは、F1レース(資本主義社会)に、きらびやかな装飾を施した神輿(おっさんの価値観)で参加しようとしているようなものです。

F1の世界では、空気抵抗の少なさやエンジンの燃焼効率といった、徹底的に計算された「合理性」と「機能」だけが勝敗を分けます。しかし、彼らはコースに神輿を担ぎ入れ、「我々の神輿は、担ぎ手の平均年齢が高いのだ(長幼の序)」とか、「ワッショイという掛け声の威勢の良さ(男らしさ)こそが重要だ」などと、レースの勝敗とは全く無関係な情緒的価値を誇らしげに叫ぶのです。その結果は火を見るより明らかです。彼らは周回遅れになるどころか、コースを逆走し、合理的なルールで走る他のマシンを次々と巻き込んでは、「和の精神が足りん!」と叫ぶ。彼らは競技者ではなく、レースそのものを破壊するテロリストなのです。

この近代社会のOSとの根本的な不適合が、具体的にどのようなコミュニケーションの崩壊、そして組織の破壊を引き起こすのか。次の章で、その具体的な症状を見ていくことにしましょう。

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2. 具体的症状:コミュニケーション、組織、経済における機能不全

前章で診断した「属性と情緒」という時代遅れのOSは、具体的にどのようなアプリケーションエラーを引き起こすのでしょうか。その症状は、対話、組織、経済という三つの領域で、破滅的な形で現れます。

2.1. 対話の崩壊:論理的必然性を欠いた「暴力」

まず、最も身近な症状は、コミュニケーションの崩壊です。高齢男性が「対話」と信じて行っている行為のほとんどは、合意形成を目指す civilized(文明化された)な営みではありません。それは、相手の都合を無視し、一方的な要求を押し付ける**「暴力」であり、時に「脅迫」**です。

「僕があなたと話さなければならない論理的必然性はあるか」という菅野氏の問いに、電話の男は答えることができませんでした。なぜなら、彼らの思考回路では、自分の「感情」こそが他者を従わせるに足る「論理」だと信じ込まれているからです。「俺がこうしてほしいのだから、お前は応じるべきだ」――この幼稚な万能感こそが、彼らのコミュニケーションの基本構造です。

彼らの辞書には「対等な他者」という概念が存在しません。人間関係は常に**「支配するか、されるか」**の二元論で捉えられます。そのため、あらゆる会話は、相手の上に立つか下に潜るかの「マウントの取り合い」に終始します。相互理解や納得といった近代的な概念は、彼らのOSでは実装されていないのです。

2.2. 組織の自壊:「華麗なる隷従」の競争

この「支配/被支配」という病的なメンタリティが組織に持ち込まれると、悲劇が起こります。兵庫県庁で起きた内部告発文書問題や、かつての旧日本軍の暴走は、その典型的な臨床例です。

近代的な組織において、部下が上位者の指示に従うのは、その指示が「論理的・合法的・倫理的」であるという前提があるからです。しかし、おっさんたちは、上位者の指示を客観的に検証するという、近代人としての責務を放棄します。彼らは指示を受け取った瞬間、それを無批判に**「内面化」――つまり、あたかもそれが自らの純粋な意思であるかのように完全に思い込み――、そこから「いかに華麗に隷従するか」**という、奴隷の競争が始まるのです。

この無批判な服従は、組織の自浄作用を完全に破壊します。公益通報者保護法に違反するような違法な命令や、補給線を無視した無謀な軍事作戦であっても、誰も「それはおかしい」と声を上げることができない。なぜなら、彼らにとっての正義とは、組織の目的達成ではなく、上位者への忠誠をアピールすることだからです。結果として、組織は合理的な判断能力を失い、内部の「空気」や「忖度」によって自壊していくのです。

2.3. 経済的リアリズムの欠如:「ソロバン勘定」のできない男たち

この非合理性は、マクロな経済や外交の分野においても、国家に致命的な損害を与えます。彼らは、冷静な損得勘定、すなわち**「ソロバン勘定」よりも、情緒的で「男らしい物語」**を優先してしまうからです。

例えば、安全保障の議論において、彼らはイデオロギー的な対立を煽る「台湾有事」の危機ばかりを声高に叫びます。しかしその一方で、豪雨被害によってサプライチェーンが寸断され、現実に日本企業に巨額の損失を与えている「マラッカ海峡の危機」には驚くほど無関心です。なぜなら、「台湾有事」はイデオロギー、敵、そして自己犠牲といった、彼らが好む勇ましい物語の要素に満ちています。対して「マラッカ海峡の危機」は、物流、保険、代替ルートの確保といった、地味で面倒なソロバン勘定の世界です。彼らは英雄的なフィクションには酔えても、現実的な経営課題には向き合えないのです。

「男らしく威勢のいいこと」を叫び、勇ましいフィクションに酔いしれることが、彼らにとっての「正解」なのです。現実の経済的損失を直視し、地味で冷静な対策を講じるという資本主義的な合理性は、彼らの情緒的な世界観とは相容れない「愚行」と見なされてしまうのです。

これら数々の症状は、彼らが単に古い価値観を持っているという話ではありません。これは、もはや治療不可能な病です。なぜ彼らは変わることができないのか。その病根の深さについて、次章で掘り下げます。

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3. 病根と不治:なぜ彼らは変われないのか

ここまで、おっさんたちが引き起こす様々な機能不全を具体的に見てきました。ここで当然、疑問が浮かぶでしょう。「彼らを教育し、更生させることはできないのか?」と。結論から言えば、それは絶望的に不可能です。この章では、なぜ彼らが変わることが期待できないのか、その構造的な理由と本質的な限界を明らかにします。

彼らが変われない最大の理由は、身も蓋もありませんが、年齢による**「可塑性(変われる可能性)」の完全な喪失**です。15歳や16歳の若者であれば、新しい価値観や論理体系を学ぶ柔軟性があります。しかし、30歳を超え、特に価値観のアップデートが絶望的に困難であった昭和の教育を受けた層には、もはや新しいOSをインストールするための空き容量も、CPUの処理能力も残されていないのです。これは非難ではありません。むしろ、哀れみです。彼らは自らのOSをアップデートする術を持たないまま、旧石器時代の思考でサイバー空間を彷徨う、悲しきデジタル難民なのです。

さらに根深い問題は、彼らの精神構造を形成してきた**「徳目」**――すなわち「礼儀作法」や「長幼の序」――そのものが、近代社会の論理と正面から衝突する点にあります。彼らにとっての「正しさ」は、我々の社会では「不正」であり「非合理」です。これは、後からアプリケーションをいくつか追加して修正できるような、表層的なバグではありません。彼らの思考の根幹をなす、OSレベルの設計ミスなのです。このOSを入れ替えることは、彼らの全人格を否定することに等しく、現実的には不可能です。

であるならば、結論は一つしかありません。教育不可能な存在が、社会の重要な意思決定に関与すること自体が、許容不可能な「リスク」である、ということです。この「不治」という冷徹な診断こそが、なぜ彼らに対する唯一の処方箋が、社会からの「隔離」と「無力化」になるのかを論理的に導き出すのです。

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4. 結論:唯一の社会貢献としての「沈黙」

これまで、日本の高齢男性という存在が、近代社会のシステムと致命的に不適合を起こし、コミュニケーション、組織、経済のあらゆるレベルで破壊的な影響を及ぼす「バグ」であることを分析してきました。では、この治療不可能なバグに対して、我々は、そして彼ら自身は、何をすべきなのでしょうか。

まず、認識を根本から改めなければなりません。彼らは社会にとって、単に役に立たない「ゼロ」の存在などではありません。彼らは、動けば動くほど、喋れば喋るほど、周囲に害を振りまき、システムを破壊する**「マイナス」の存在です。はっきり申し上げましょう。彼らは社会にとって「害悪」であり、極論すれば「汚物」**なのです。

この冷徹な事実認識から導き出される、唯一の処方箋。それは、彼らが**「黙って俯いて生きること」**です。彼らが社会に対して貢献できる唯一かつ最大の善行は、社会との関わりを一切断ち、他者への加害行為を未然に防ぐこと。これ以外にありません。

具体的な「無害化」の手段

「黙って俯く」とは、具体的にどういうことか。あなた方が今日から実践すべき、無害化のための行動指針を、いくつか提案しておきましょう。

第一に、ご自身の部屋に引きこもり、ひたすら畳の目を数えるという瞑想にふけることです。右から左へ数え終えたら、今度は左から右へ。無限の静寂の中で、あなたは誰一人傷つけることなく一日を終えられます。

第二に、タンポポの綿毛を数え、もしため息で飛んでしまったら、また最初からやり直すという精神修養に取り組むことです。この無為な行為こそが、あなた方が社会に対してなしうる最高の貢献となります。

第三に、SNSは65歳を以て免許返納していただく。そもそも活字を読まず、論理的対話の訓練も積んでいないあなたがたが、不特定多数に情報を発信すること自体が、社会に対するリスクでしかありません。

終章:国家を守る「女々しさ」

この「黙る」という行為は、一個人のマナー論に留まりません。驚くべきことに、これは国家の安全保障戦略にまで直結する、極めて高度な政治的判断なのです。

台湾有事のような国家的な危機に際して、おっさんたちが最も好むのは、相手を威嚇するような**「男らしく威勢のいい発言」です。しかし、それは火に油を注ぐだけの愚行であり、国を破滅的な戦争へと導く、真の「弱さ」**の表れに他なりません。

逆に、彼らが最も蔑むであろう態度――すなわち、黙って嵐が過ぎ去るのを待ち、時間を稼ぐ「女々しい」とも見える振る舞い――こそが、現実には戦争を回避し、国体を守るための真の**「強さ」**であり、高度な知性なのです。

結論です。日本の高齢男性諸君、あなた方は、自らが近代社会というシステムにおける致命的なバグであることを、今こそ自覚しなければなりません。あなた方に課せられた唯一の社会的責務は、その有害性を深く自覚し、社会システムから自らの手でプラグを引き抜き、ネットワークから完全に切断されることです。それこそが、あなた方がこの国に対してなしうる、唯一にして最大の貢献なのです。

ご清聴、ありがとうございました。

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