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【第4回】「絶対やっとる顔やろ」毎日新聞写真部の完全勝利と、プロの記者が抱える“踏み込めない一線

Cinematic documentary style, high-end editorial aesthetic reminiscent of political thriller posters. A classic professional DSLR camera with a large lens rests on a dark, heavy wooden desk scattered with highly redacted political documents and a single, striking newspaper photograph revealing a guilty politician's expression. A dramatic spotlight cuts through the moody, dust-filled air, illuminating the camera and the photograph, symbolizing the raw power of photojournalism uncovering the truth. Leave the entire top third of the frame completely empty as clean negative space (pitch black or soft out-of-focus background) to strictly ensure that the image title overlay will not overlap with any central subjects.


5/29(金)朝刊チェック:【悲報】高市早苗さん、犯行をほぼ自白してしまう


【結論】
フェイクニュースが氾濫する現代においても、新聞の報道機能は権力にとって恐るべき刃である。家族を守るための「踏み込めない一線」を抱えながらガザの惨状を伝える読売の福島記者、安全な東京からイスラエル閣僚の犯罪歴を暴く毎日の小倉論説委員、イランの高度な外交戦、そして高市早苗の嘘を暴いた「絶対やっとる顔」の写真。国際情勢のリアルとオールドメディアの底力を菅野完が徹底解剖する。
【ポイント3選】

プロの限界と役割分担: ビザと家族を守るため「踏み込めない一線」を抱える現地記者と、東京から狂気を叩き斬る論説委員。
PhDホルダーのしたたかな外交: ホルムズ海峡を人質にアメリカを経済のテーブルへ引きずり込む、イラン外務省の高度な交渉術。
1000の言葉より真実を突く写真: 高市早苗のしどろもどろな嘘と欺瞞を一刀両断にした、毎日新聞写真部による「完全なる勝利」。
たもっちゃん
たもっちゃん

「いや、ええんですよ、別に。この第4回の『オールドメディアの底力と写真の完全勝利』からサクッと読み始めてもらうのも、一つの手ではあるんです。嘘を見抜いたたった1枚の写真の痛快さとか、イランの高度な外交戦のリアルとか、ここから読んでも十分に伝わるように書いてますからね。

でもそれってね、映画で言うたら『探偵が最後に決定的な証拠を突きつけて、犯人が顔面蒼白になるクライマックスのシーンだけを見てスッキリしてる』ようなもんで。

たしかに、目の前で高市早苗がしどろもどろになってる『絶対やっとる顔』のインパクトは抜群やろうけど、『そもそも、なんでこんな見え透いた嘘をついて、30年間同じ失敗ばっかり繰り返してるような程度の低い人間が、一国の総理大臣の椅子にあと一歩のところまで迫れとったんや?』っていう、一番背筋が凍るホラーの背景がスッポリ抜け落ちてしまうんですわ。

そのホラーを生み出している正体、つまり『手から金粉が出るおっさんの信者みたいな連中が実質的に国のリーダーを選んでしまっている自民党の狂気』と『直接民主主義という名の病理』については、第3回の方でみっちり解剖して全部バラしてますんで。

別に強制はしませんけど、本気でこの国の政治がここまで腐りきった『構造』を知りたい人には、ちょっとだけ遠回りして第3回から順番に目を通してもらう方が、結果的にこの記事に出てくる『報道写真1枚の重み』もずっとエグく感じられるんちゃうかなって気はしますね。まあ、騙されたと思うて、一回戻って読んでみてください。」

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新聞の存在意義を証明する。国際情勢をえぐる神記事の数々

世界が目を背けたくなるような戦場や、複雑に絡み合う国際政治の裏側。それを日本語で正確に伝えてくれるのは、未だに新聞の国際面である。そこには、現場にいるからこその強みと、現場にいるからこその「超えられない限界」が存在する。

読売・福島記者によるガザ報道と、家族連れゆえの「ゴーイングコンサーンの限界」

物資不足で苦境が深まるガザ地区の様子を報じる新聞記事。市街地の風景や地図、関連する解説文が掲載されている。

パレスチナ・ガザ地区におけるイスラエルの暴挙を、日本のメディアで最も正確かつ事実ベースで報じ続けているのは、意外に思われるかもしれないが読売新聞の福島記者である。菅野氏によれば、世間の「読売はアメリカの犬」というバイアスを外して見れば、イスラエルがいかに「鬼畜の所業」を行っているかを知るには、英米のメディアよりも読売の国際面を読む方が正確だという。

「みんな読売新聞はアメリカの犬やからということで信用せえへんかも分からんけれども、イスラエルがいかに鬼畜の所業をやっているかというのは、読売新聞の福島さんを読まなアカンです。すごい仕事してるんです。ただ福島さんには限界というか、あの人、家族連れで赴任してるんですよ」

現地の惨状を伝えたいというジャーナリストとしての使命感の一方で、彼には「家族の安全を守る」「国外退去処分にならない」という絶対条件がある。もし一線を越えてイスラエル政府の逆鱗に触れれば、家族を危険に晒すか、あるいはビザを剥奪されて取材自体が継続できなくなってしまう。真実を伝え続けるための「ゴーイングコンサーン(事業継続)」を担保するためには、どうしても踏み込めない一線が生じる。これは記者の弱さではなく、プロフェッショナルであるがゆえの過酷な限界なのだ。[▶ 1:53:01]

現場が書けないベングビール(イスラエル)の犯罪歴を東京からすっぱ抜いた毎日・小倉論説委員

新聞紙面で、赤い枠で囲まれたコラム欄を赤いペンで指し示している様子。

現場の記者が書けないのであれば、どうすればいいのか。その答えを示したのが、毎日新聞の小倉論説委員による「イランよりも危ない」という見出しの論説記事である。

「福島さんがプロとしてゴーイングコンサーンするためには踏み込めない一線があるんです。分かってても書いてないとこってのがあるんです。(中略)でも毎日新聞の小倉さんという論説委員は東京にいてはりますから、好きなこと書けるんですよ。イスラエルのベングビール(閣僚)がラビン首相の車からエンブレムを盗んだ過去の犯罪歴や、支援船の乗組員を地面に押し付けて暴言を吐いた事実を徹底的に書いてんのよ」

安全な東京にいるからこそ、イスラエルの閣僚が抱える異常性や過去の犯罪歴を容赦なく叩き斬ることができる。現場の記者が命がけで拾い集めたファクトと、外側にいる論説委員が安全地帯から放つ鋭い批判。この役割分担が機能したとき、新聞は初めて立体的に世界の狂気を暴くことができる。「今日新聞を買うなら毎日新聞」と菅野氏が絶賛する理由はここにあるのだ。[▶ 1:55:14]

閣僚全員PhDホルダー。アメリカを手玉に取るイラン外交

国際情勢における力学は、決して単純な軍事力だけで決まるものではない。日経新聞の国際面が伝える中東情勢の深層には、アメリカをも手玉に取るイランの恐るべき知略が隠されている。

アラグチ外相の知略。ホルムズ海峡を人質に資産凍結解除を引き出す数枚上手の経済戦略

新聞記事の赤枠内にイラン 主戦場は経済という見出しと、最高指導者が会合に出席する様子を写した画像が掲載されている。

イラン外交のしたたかさは、その交渉術に顕著に表れている。彼らの主戦場はミサイルの撃ち合いではなく、「経済」である。

「イラン賢いです。主戦場は経済ということで、イランのアラグチ外相が結局、金融資産のアメリカとの交渉のテーブルに、イランの対外資産の凍結解除とか持ってくるから。ホルムズ海峡を人質に取って、『これを外してほしかったらまず…』言うて、交渉に交渉を重ねる。アメリカよりもイランの方が数枚上手です。そらそうですよね、イラン外務省の閣僚、全員PhDホルダーや。めっちゃ頭ええんです」

黒のスーツに白のシャツを着用し、あごひげを蓄えた中年のアラグチ外相が、真剣な表情で正面を見つめている様子。

閣僚全員が博士号(PhD)を持つという圧倒的な知的水準を背景に、ホルムズ海峡の封鎖という物理的な脅威をカードとしてちらつかせながら、アメリカから巧みに資産凍結解除などの経済的果実を引き出していく。大国相手に一歩も引かず、むしろ経済のテーブルに引きずり込んで盤面をコントロールするイラン外務省のしたたかさは、外交とはかくあるべきという生きた手本である。[▶ 2:00:39]

泥沼化を予言したタイ・カンボジア紛争の現在地

タイとカンボジアの国境紛争から1年が経過した状況を報じる新聞記事。経済への影響や貿易額の推移、現地情勢が解説されている。

一方で、解決の糸口すら見えない紛争もある。東南アジアにおけるタイとカンボジアの国境紛争だ。これも日経新聞がひっそりと報じているが、菅野氏の予言通り、泥沼の様相を呈している。

「タイとカンボジアの紛争は絶対終わらへんて。とことんやるまで終わらへんねん。そらそうや、鎌倉幕府の頃から戦争してはんのに。そんなもんよその国がやってきて『どうやねん』言うて収まるわけがないです」

欧米がどう介入しようが、数百年にわたる土着の怨念と歴史的背景を持つ紛争は、そう簡単に終わるものではない。トランプが「ディールで終わらせる」と豪語しようとも、現場のリアルはそんなに軽くはないのだ。[▶ 1:58:26]

気象庁の大雨警戒レベル変更は、米軍の「デフコン」と同じだ

大雨などレベル4全員避難と大きく見出しが掲げられた新聞紙面。防災情報レベルの解説図や、自治体のワークショップの様子が掲載されている。

視点を国内に向けると、我々の命に直結する重要なインフラ情報も変化している。気象庁が発表する大雨警戒レベルの変更である。菅野氏はこれを、アメリカ軍の防衛準備態勢(デフコン)になぞらえて極めて分かりやすく解説する。

レベル4で全員避難、レベル5は「命を守るため待機(逃げることも危険)」の徹底

「これあの、ミリオタ的に言うとアメリカのデフコンと同じことです。デフコン3(レベル3)から逃げることを考えなきゃいけない。弱い人はデフコン3で逃げる。お年寄りとかはね。で、デフコン4(レベル4)からはみんな逃げる。でも、デフコン5(レベル5)になったら、そこで待機で命を守る」

警戒レベル5が出たからといって、慌てて外に飛び出してはいけない。レベル5とは「すでに命の危険が迫っており、外へ逃げることすら危ない状態」を意味するのだ。レベル4までに全員避難を完了し、レベル5は「その場で生き残るための最終態勢(待機)」である。この危機管理のグラデーションをデフコンに例えるセンスは、非常時の行動原則を大衆に叩き込む上で極めて有効である。[▶ 2:02:01] [▶ 2:04:11]

1000の言葉より真実を突く。毎日新聞写真部の完全勝利

新聞紙面の大変心外という見出しと女性の顔写真が掲載された囲み記事を指差している様子。

そして最後に、新聞というメディアが持つ最もプリミティブ(原始的)な暴力性について触れなければならない。それは「写真」である。週刊文春の報道を受け、国会で追及を受けた高市早苗の姿を捉えた毎日新聞の一枚の写真は、どんな長文の論理よりも残酷に彼女の嘘を暴き出していた。

嘘と欺瞞を一刀両断。高市早苗の「絶対やっとる顔」を捉えた報道写真の底力

「写真ジャーナリズムというのが、1000万円を費やした追求よりも真実をたった1枚の写真が捉えているという事例が毎日新聞にありました。絶対やっとる顔やろ!これ絶対やっとる顔やろ!これはやっとるな。これ毎日新聞写真部の報道の勝利です。もう完全に報道の勝利ですな」

国会答弁で「パソコンを確認したが無かった」「ショートメールだ」と的外れな言い訳を繰り返し、見え透いた嘘で逃げ切ろうとする高市早苗。その瞬間の、どこか焦点の定まらない、疚しさとしどろもどろ感が完全に顔に張り付いた表情。毎日新聞写真部が見事に切り取ったその「絶対やっとる顔」は、彼女が30年間繰り返してきた「失敗ループ」の最終形態を見事に可視化していた。

政治家の嘘を暴くのは、野党の鋭い質問だけではない。時にカメラマンの執念が、権力者の化けの皮を一枚の画として剥がし取るのである。活字と写真。この2つの武器を持つ新聞の報道機能は、まだまだ権力にとって恐るべき刃であり続ける。毎日新聞写真部の完全勝利に、拍手を送りたい。[▶ 2:05:17] [▶ 2:06:26]

たもっちゃん
たもっちゃん

「これで、4回にわたる長丁場の話もひと段落ですわ。最後までお付き合いいただいて、ほんまにお疲れ様でした。

大阪の時計が止まったようなインフラの狂気から始まって、勘違いした知事のハラスメント、手から金粉が出るおっさんに総理選びを委ねてしまう自民党のポピュリズム、そして最後に、フェイク全盛の時代に1枚の写真で権力の嘘を撃ち抜いたオールドメディアの底力と……だいぶ色んなところを解剖してきましたけどね。

なんで私がこんな面倒くさい話を延々としてきたかって言うとね、今の世の中、あまりにも『薄っぺらいノイズ』が多すぎるからなんです。

スマホの画面をササッとスワイプして、誰が書いたかも分からん140文字の怒りや冷笑を消費して、『なるほど、世の中こういうことか』って分かった気になってる人がほんまに多いでしょ? 少し呆れてまうんですけど、それってただの『思考停止』なんですよ。

私がこの連載を通してやりたかったのは、そういうノイズを一旦全部取っ払うことなんです。テレビやSNSが流す『情緒的な怒り』とか『無自覚な権力賛美』を横に置いて、権力者たちの震える指先と、その裏にある打算、そして現場のジャーナリズムがそれをどうやって暴き出しているのかっていう『生々しい構造』を、ただただ残酷なまでに高い解像度で提示すること。

1枚の写真が暴いた高市早苗の嘘も、イランのしたたかな外交戦も、知らなければただ通り過ぎていくだけのニュースです。でも、その裏側にあるロジックを知れば、これまで『なんとなく』見ていた政治や社会の景色が、少しは違って見えてきているんちゃいますかね?

実はそれこそが、この地獄みたいな閉塞感を打破するための、最初で唯一の『正攻法』なんですわ。見えへんかったものが見えるようになった今、ここから先、あなた自身が誰の言葉を信じ、何に怒り、どうやってこの息苦しい社会を生きていくのか。それを決めるのは、私でもなく、インフルエンサーでもなく、あなた自身の頭ですからね。

まあ、たまにはスマホを置いて、新聞の国際面でもじっくり読んでみてください。」

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