トランプのベネズエラ介入と日本の「奴隷の鎖自慢」― なぜアメリカの侵略を喜ぶことが「売国」に繋がるのか | 菅野完 朝刊チェック 文字起こし
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トランプのベネズエラ介入と日本の「奴隷の鎖自慢」― なぜアメリカの侵略を喜ぶことが「売国」に繋がるのか

2026/1/5(月)朝刊チェック:潜在的売国奴

私が菅野完でございます。明けましておめでとうございます。新年一発目の朝刊チェックの時間がやってまいりました。頑張っていかなあかんなぁ~言うてるところなんですけど

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序論:ベネズエラ情勢の「より大きな文脈」

まず最初に申し上げておきたいのですが、これからお話しすることは、単なるベネズエラという遠い国の情勢解説ではありません。ドナルド・トランプという男が仕掛けた一つの軍事行動をきっかけにして、西側諸国、とりわけ我々日本が抱える深刻な自己矛盾と、それが我々の未来の安全保障にどれほど致命的なリスクをもたらすか、という「より大きな文脈」についての話でございます。

トランプは今、ベネズエラのマドゥロ大統領を「麻薬王」と呼び、その政権を転覆させようと動いています。しかし、この「麻薬王の退治」というお題目は、子供騙しの建前に過ぎません。その本質は全く別のところにあり、そしてその本質を直視できるかどうか。国際法や正義といった「プリンシプル(原則)」を、我々日本人が本当に守る気があるのか。この問題は、まさにその試金石となっているのです。

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1. 見せかけの「正義」と公然の「本音」:トランプの狙いは何か

この問題全体を理解するための出発点は、至極単純です。すなわち、「トランプは一体、何のためにベネズエラに介入しようとしているのか?」という目的を正確に把握することです。結論から言えば、その目的は「正義」などという高尚なものでは断じてありません。

トランプがマドゥロ大統領を「麻薬王」と断じ、政権転覆を正当化しようとする手法。所詮は、レーガンあたりがやった使い古された侵略正当化の脚本を、漫画的にデフォルメしてなぞっているだけの陳腐な「ごっこ遊び」に過ぎんのです。

では、その「ごっこ遊び」の裏にある本音、真の目的は何か。

それは「石油」です。

これは陰謀論でも何でもありません。トランプ自身が、隠す素振りすら見せずに「ベネズエラの石油はアメリカのものだ」と公言している、公然の事実なのです。この事実は、日本の読売新聞や産経新聞といった、いわゆる保守的なオールドメディアですら「アメリカの狙いは石油」とはっきりと報じています。もし未だに「トランプは正義の味方」などと信じている人間がいるとすれば、その人物は新聞の一行すら読解できないのか、さもなくば、己の願望に合わない真実を意図的に無視しているだけのこと。どちらにせよ、議論の相手に値しない。

ベネズエラで起きていることは「正義の鉄槌」などではありません。資源を目的とした、極めて分かりやすい「侵略行為」です。そして、この明白な侵略行為に対して、西側諸国がどのような反応を示しているのか。そこにこそ、この問題の根深い闇が横たわっているのです。

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2. 矛盾の解剖学:ウクライナ侵攻と全く同じ論理

トランプによるあからさまな侵略行為に対し、西側諸国、そして日本はどのような態度をとっているのでしょうか。この点を分析すると、彼らが抱える致命的な矛盾、すなわち「ダブルスタンダード」の構造が白日の下に晒されます。

思い出してください。4年前、ロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻した際、彼は何と言っていたか。「ウクライナ政権は腐敗している」「ネオナチだ」――これが彼の掲げた侵略の「大義」でした。では、今回のトランプはどうでしょう。「マドゥロは麻薬王だ」「独裁者だ」――。

構造的に、全く同じ論理です。

ところが、西側諸国の反応は真逆です。例えば、フランスのマクロン大統領。彼はウクライナ支援に最も熱心で、ロシアを激しく非難した張本人です。そのマクロンが、今回は「ベネズエラの人々はマドゥロから解放され、喜ぶことしかできない」などと述べ、トランプの侵略行為を全面的に「歓迎」している。これは論理ですらない。単なる「親分」への媚びへつらいが生んだ、支離滅裂なダブルスタンダード。まさに「むちゃくちゃ」な光景です。プーチンがやった時には「侵略だ!」と叫び、トランプが全く同じ論理でやったら「正義だ!」と拍手喝采する。これこそが「ダブスタ(ダブルスタンダード)」の極致です。

なぜ、彼らはこれほど明白な自己矛盾に陥るのか。理由は一つしかありません。それは、アメリカに「握り金玉」されているからです。 後ろから急所を強く握られ、少しでも親分の意に逆らえば潰される。だから、本心や正義がどうであろうと、ただひたすらに「アメリカ頑張れ」と叫ぶしかない。彼らが優先しているのは「法の支配」ではなく「親分の機嫌」なのです。この致命的な矛盾が、どれほど皮肉な現実を生み出しているのかを、次にお話ししましょう。

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3. 地獄のような現実:中国が握る「国際法」という道徳的優位

西側諸国が自ら掲げた「原則」を投げ捨て、矛盾の海で自滅していく中で、皮肉なことに、最も論理的な整合性を保っている国家が存在します。それが中国です。この残酷な現実こそが、この問題の根深さを物語っています。

現在のベネズエラ情勢において、侵略を仕掛けるアメリカ、過去に侵略を行ったロシア、そしてそのアメリカに追従してダブルスタンダードに陥る西側諸国――その全員が、論理的にも道徳的にも破綻しています。その中で、驚くべきことに、**「言論ベースでも行為ベースでも、国際法を踏み外していないのは中国だけ」**という状況が生まれてしまっているのです。

本来、「法の支配」や「自由」を掲げるべき西側諸国が、親分アメリカへの忖度から侵略を肯定し、一方で専制主義国家であるはずの中国が「他国への軍事介入は許されない」という国際法の遵守を淡々と訴える。この倒錯した状況は、西側の価値観に立つ人間にとって、まさに**「ある種の地獄」**と言えるでしょう。自らが掲げた「法の支配」という旗をいとも簡単に投げ捨て、その旗をこともなげに拾い上げたのが、最も法の支配から遠いと見做してきた専制国家・中国であるという現実。これこそが、西側が自ら招いた、知性と道徳が反転した「地獄」の正体です。

トランプ、プーチン、マクロン、そして習近平といった各国のリーダーを並べてみたとき、この局面における論理的整合性という一点において、「一番学校の成績が良かったのが習近平」という皮肉な現実を、我々は直視しなければなりません。

西側が自らの手で投げ捨てた「国際法の守護者」という道徳的優位性。そのポジションに、今や中国が座ろうとしている。この現状が、将来の日本の安全保障にとって、どれほど巨大なブーメランとなって返ってくるのか。それを最後に論じたいと思います。

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4. 最大の脅威「潜在的売国奴」:日本のための最終警告

さて、ここまでの国際情勢の分析は、全て我々日本の国益と安全保障の問題に直結します。この「握り金玉」状態という屈辱的な現実を直視できない者たちが、精神的安定を求めて逃げ込む先が、これからお話しする最も醜悪な精神構造、すなわち「奴隷の鎖自慢」なのです。そして、トランプの侵略を「正義」だと認めることが、いかに危険な「ブーメラン」となるか、具体的にご説明しましょう。

もし日本が、「相手が麻薬王や腐敗政権だというレッテルを貼れば、武力で政権を転覆させても良い」というトランプの論理を、今回受け入れてしまうとしましょう。では、その数年後、中国人民解放軍が「台湾当局は腐敗している」「犯罪的だ」という全く同じ論理を掲げて台湾海峡を渡ってきた時、一体あなた方はどういう言葉で対抗するんですか? トランプの理屈を認めたその舌の根も乾かぬうちに、中国の同じ理屈を否定できる道理がないでしょう。

この明白な理屈を理解せず、あるいは無視して、アメリカによる侵略を無批判に支持する日本人が後を絶ちません。私は、その心理を**「奴隷の鎖自慢」**と呼んでいます。

  • 彼らは「ロシアや中国に鎖で繋がれるのは屈辱だ」と軽蔑します。しかし、自分たちが「アメリカという立派なご主人様に、ダイヤモンドの鎖で繋がれた奴隷」であることには全くの無自覚なのです。
  • 本来、我々が目指すべきは「どの鎖の持ち主がマシか」を選ぶことではありません。「鎖に繋がれていない状態」、すなわち自立です。

この「奴隷の鎖自慢」に浸り、親分のやることは全て「正義」だと思考停止すること。それこそが、結果的に日本の国益を損ない、将来の中国の侵略に反論する論理的根拠を自ら破壊する**「潜在的売国行為」**そのものなのです。

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結論:鎖を断ち切り、原則に立て

本稿で論じてきたことを要約しましょう。トランプによるベネズエラ介入は、石油を目的とした明白な侵略行為です。そして、それを無批判に支持する西側諸国と日本の態度は、国際法という原則を破壊し、結果的に中国に道徳的優位性を与えるだけの、致命的なダブルスタンダードに他なりません。

真の国益とは何か。それは、思考停止で同盟国に追従する「奴隷の論理」の中に答えはありません。たとえ相手が最強の同盟国アメリカであっても、間違いは間違いだと指摘できる「原則(プリンシプル)」に立つこと。そこにしか、独立国家としての日本の活路はないのです。

日本の未来は、この見えない「奴隷の鎖」を自らの意志で断ち切り、原則に立つ独立国家への道を選ぶのか、それとも鎖の響きを心地よいBGMと勘違いしたまま、思考停止の属国として朽ち果てるのか。その選択にかかっている。

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