オールドメディアの底力とネット言論の死骸 | 菅野完 朝刊チェック 文字起こし
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オールドメディアの底力とネット言論の死骸

私が菅野完でございます。朝刊チェックの時間がやってまいりました。頑張っていかなあかんなぁ~言うてるところなんですけど

序論:腐ったメディアと死んだメディア、どちらがマシか?

世間では、「オールドメディアは腐敗し、ネットこそが真実を語る」という安っぽい言説がまことしやかに語られている。だが、それは本当だろうか。本稿は、その欺瞞を徹底的に暴き、国家的な危機に際して露呈する、埋めがたい「知性の格差」を白日の下に晒すものである。我々が今、直面しているのは、「清廉なメディア」と「腐敗したメディア」の選択ではない。「腐ったメディア」と「死んだメディア」、そのどちらがまだマシかという、絶望的な問いなのだ。

本稿における核心的な対立軸は、「腐敗」と「死」である。オールドメディア、すなわち新聞やテレビが、金や権力に迎合し、スポンサータブーにまみれた「腐敗」した存在であることは論を俟たない。それは事実だ。しかし、それと比較されるべきネット言論は、もはや腐敗しているというレベルにすらない。自己規律、事実検証、国際常識、歴史的教養といった、言論が言論として成立するための最低限の機能を完全に失い、ガバナンスが崩壊した「死んでいる」状態にある。

これから具体的な事例を挙げて、この両者の間に横たわる絶望的な差を詳述していこう。

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1. 国際情勢というリトマス試験紙:ベネズエラ報道に見る知性の断絶

国際的な危機、とりわけ戦争の足音が聞こえるような局面において、メディアの真価は容赦なく問われる。感情論やプロパガンダに流されることなく、いかに理性的かつ多角的な視座を提供できるか。ベネズエラ情勢を巡る報道は、オールドメディアに残された「底力」と、ネット言論の「死」をあまりにも残酷なまでに浮き彫りにした。

1.1. ネット言論の幼児性:「強いアメリカ」にすがる〝クソ弱者〟の思考停止

ベネズエラで政治的混乱が深刻化し、当時のトランプ米政権が軍事介入を示唆した際、日本のネット言論空間は異様な熱狂に包まれた。「マドゥロ政権は麻薬に関与している」といった断片的な情報を鵜呑みにし、アメリカの強硬姿勢を無批判に支持し、現地の混乱を嘲笑する声で溢れかえった。

これは知性ある者の反応ではない。これは、自らの頭で考えることを放棄し、ただ強い者に媚びへつらうことで安心感を得ようとする**「クソ弱者」**のメンタリティそのものである。その本質は、「アメリカの言うことを聞いていれば幸せになれる」という、虎の威を借る狐の思考停止に他ならない。彼らはまるで、クラスのいじめっ子(アメリカ)が暴れ出すのを、「やれやれ!」と無責任に囃し立てる腰巾着のようだ。ただただ「強いアメリカ」というファンタジーにすがりついただけだった。

1.2. オールドメディアの〝底力〟:歴史の教訓と国際標準という理性

その一方で、普段は「腐っている」と批判されるオールドメディア(毎日、日経、読売など)は、この問題に関して驚くほど冷静かつ知的な報道姿勢を貫いた。これは、彼らが清廉潔白だからではない。彼らは、たとえ腐敗した老獪な不良委員長であっても、校則(国際法)を破れば学校全体がどうなるかを理解している。ネット言論が完全に失ってしまった「理性の残り火」とでも言うべき、最低限のプロフェッショナリズムが残っていたからだ。

  • 歴史的教訓の参照: 最も象徴的だったのは、普段は体制側であるはずの日経新聞ですら、「イラク戦争の失敗が教訓だ」と明確に指摘したことだ。米国の単独行動主義が過去にどのような悲惨な「泥沼」を招いたかという歴史的教訓を引き合いに出せる知性が、そこにはあった。
  • 手続き的正義への着目: 彼らは、アメリカ国内ですら「議会承認を経ていない」という手続き上の重大な問題点を民主党などが批判している事実を正確に報じた。権力の暴走をチェックするというジャーナリズムの基本機能が、まだ死んでいなかったことの証明である。
  • 国際標準との同調: オールドメディアの論調は、イギリス、フランス、EU諸国が一致してアメリカに「自制を求める」と表明した国際社会のスタンダードと歩調を合わせていた。感情論に流されず、国際法や国連憲章を遵守するというグローバルな理性の側に立ったのだ。

この構図はあまりにも皮肉だ。ネットの**「クソ弱者」**たちが「マスゴミ」と罵るオールドメディアは、その実、彼らの幼児性を冷ややかに「指差して笑っている」のである。この知性の断絶は、国際情勢だけでなく、我々の足元、国内の問題においても深刻な病理として現れている。

2. 内なる病理:「田舎のおっさん」が蝕む日本の品格

国際情勢において露呈したネット的な感性の欠陥は、日本の国内問題に目を転じると、より根深く、日本の国益そのものを蝕む病理としてその姿を現す。それは、「威勢のいいことを言えばなんとかなる」という思考停止であり、ベネズエラ問題で「強いアメリカ」に盲従した**「クソ弱者」**と、国内で未知のものを排斥する「田舎のおっさん」は、全く同じ病理の異なる症状に過ぎない。自分たちがよって立つ伝統がいかに薄っぺらいものであるかすら自覚できない、その精神性こそが問題なのだ。

2.1. ムスリム排斥に見る「未知への恐怖」

産経新聞が「公園でムスリムが集団礼拝」と問題視するような記事を掲載した際、ネット上では案の定、排外的な言説が勢いづいた。だが、その批判の根拠は何か。それは論理ではなく、「見たことがないものを怖がっているだけ」という前近代的な感性だ。

礼拝の時間は、日本の公園で日常的に行われているラジオ体操よりも遥かに短い。むしろ、全員が一糸乱れぬ動きをするラジオ体操の方が、よほど「ファシストっぽくて気持ち悪い」とさえ言えるではないか。この種の批判は、「珍しいから気味が悪い」という感情論に過ぎない。そんな理屈が通るなら、「ピザもスパゲティも食うな」「花見もやめろ」ということになる。多文化の受容を拒むその態度は、先進国としての日本の発展を自ら拒絶する愚かな行為だ。

彼ら排外主義者は、自分たちこそが日本を守っていると錯覚しているが、全くの逆だ。外国人よりも、ムスリムよりも、こういう変化を拒む人々の方がよほど「日本の邪魔」をしている。断言しよう。「先進国であることが気に食わないんだったら、出て行って」。この国から出ていくべきは、多様性を受け入れられない彼らの方なのだ。

2.2. 「人工的伝統」にすがる歴史認識の欠如

こうした排外主義の根底には、驚くほど浅薄で、歪んだ歴史認識がある。彼らが「日本の伝統」として振りかざすものの多くは、実はそれほど古いものではない。

例えば、一部の保守論客がありがたがる神戸の一宮から八宮、あるいは湊川神社。これらは古来の伝統などではなく、その多くが明治政府によって整備されたものだ。目的は何か。日清・日露戦争を遂行し、朝鮮半島への侵略を正当化するために、神功皇后の「三韓征伐」といった神話を国家の物語として国民に植え付けるための、**「アーティフィシャル(人工的)」**なプロパガンダ機関だったのである。

こうした歴史的背景を何一つ知らず、ただ感情的に排外的な言動を繰り返す人々は、「教養もなければ知性もない」。だが、ここで刮目すべきは、腐敗したはずのオールドメディアに時折見られる「理性の残り火」だ。高市早苗氏が安倍晋三氏の遺影を持って伊勢神宮を参拝した際、ネット上では絶賛の嵐だったが、保守系の産経新聞は一面写真で遺影が写らないよう配慮した。なぜか。現場の記者には、「死穢(しえ)」を神域に持ち込むことのタブーをわきまえる、最低限の教養とプロ意識が残っていたからだ。ネットの無知な熱狂とは対照的なこの「底力」こそ、腐敗と死を分かつ決定的な一線なのである。

結論:なぜ「腐ったオールドメディア」が「死んだネット言論」より5万倍マシなのか

本稿で詳述してきた通り、オールドメディアが「利権にまみれた悪徳商人」であることは間違いない。彼らはスポンサーに忖度し、権力に媚びへつらう。その「腐敗」は断罪されてしかるべきだ。しかし、彼らは悪徳商人ではあっても、社会のルールや歴史の教訓、国際的な常識というものを理解した上で商売をしている。彼らは、手抜き工事が横行する「腐敗した建設会社」かもしれないが、それでも建築基準法という存在は知っている。

それに対し、ネット言論はどうか。彼らはルールも文脈も理解せず、ただ感情のままに石を投げる「無法者」の集団だ。彼らは、設計図も物理法則も無視して「最強の城を建てている」と叫びながら、違法建築のバラックを建てているに等しい。ベネズエラ情勢で見せたように、危機において彼らは有害でしかない。

オールドメディアが持つ、腐敗の中の「理性の残り火」。それこそが、ガバナンスが完全に崩壊した「死んだ」ネット言論との決定的な違いである。これは決してオールドメディアを擁護するものではない。利権にまみれているが免許を持つ医者と、善意を振りかざす無免許の煽動者、どちらに命を預けるかという話だ。ネット言論がいかに絶望的なまでに機能不全に陥っているかに対する、最終的な断罪なのである。

この知的崩壊が、日本の議論空間をただの騒音地帯へと変え、国家の意思決定能力を根本から破壊しつつある。我々は、その末期的な症状を、今まさに目の当たりにしているのだ。

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