2026/1/29(木)朝刊チェック:立花孝志完全敗訴判決文の強烈なインパクトについて
劣化する日本社会の「断面図」(全3回)第1回:司法・情報リテラシー編
記事の要約と図解
【結論】 斎藤元彦知事による「経営者ごっこ」は、わずか一枚のKPI(重要業績評価指標)表によって崩壊した。外国人観光客が倍増し、単価も1.7倍になると豪語しながら、なぜか観光消費額(売上)の目標値が500億円も減少するという「算数レベルの矛盾」を露呈。さらに、その理由を問われると部下に丸投げして逃亡する姿は、1兆円規模の経済圏を預かるリーダーとしての資質欠如を決定づけた。
【ポイント3選】
- 論理破綻したKPI: 「客数増×単価増=売上減」という、小学生でもおかしいと分かる数字を、チェックもせずドヤ顔で発表した。
- 責任の放棄: 「なぜ売上が減るのか?」という核心的な質問に対し、「詳細は部局に聞いてくれ」と回答を拒否。マネジメントの責任を放棄した。
- 見えていない「国内の衰退」: 矛盾の裏には「国内日帰り客の激減」という不都合な真実が隠されている可能性が高いが、知事はそれを語る言葉すら持っていなかった。

■ 経営者気取りの「社長プレゼン」
令和8年1月28日の定例会見において、斎藤元彦知事はいつになく饒舌だった。普段は「高校生と触れ合いました」といった情緒的な話題しか口にしない彼が、この日は「マネジメント」や「KPI(重要業績評価指標)」といったビジネス用語を連発したのである。
「やはりKPI設定というものは大変大事なポイントになります」
「マネージャーとして、しっかり数字を見ていく」
まるで敏腕経営者が株主に向けてプレゼンするかのようなその姿。しかし、彼が自信満々に提示した「ひょうご新観光戦略」の資料には、経営者であれば一瞬で気づくはずの、致命的な論理破綻が刻まれていた。彼がやっていたのは経営ではない。単なる「社長ごっこ」である。
■ 【徹底検証】観光戦略KPIの「論理破綻」比較表
知事が発表した2027年度の目標数値(KPI)を整理すると、以下の信じがたい矛盾が浮かび上がる。これは高度な経済分析などではない。義務教育レベルの算数の問題だ。
異常な数値設定
| 指標 | 2024年(現状) | 2027年(目標) | 増減 | 矛盾点 |
|---|---|---|---|---|
| 外国人観光客数 | 151万人 | 300万人 | 約2倍 | 客数は倍増 |
| 外国人客単価 | 35,207円 | 60,000円 | 約1.7倍 | 単価も大幅増 |
| 観光消費額(総売上) | 1兆5059億円 | 1兆4500億円 | ▲559億円 | なぜか売上だけ減少 |
「客が増えて単価も上がるのに、売上が下がる」怪奇現象
見ての通りである。外国人の客数が倍になり、彼らが落とすお金(単価)も1.7倍になるというバラ色の成長戦略を描いている。普通に計算すれば、総売上(観光消費額)は爆発的に増えなければならない。
しかし、一番上の「観光消費額(売上)」の目標値を見てほしい。現状の1兆5059億円から、1兆4500億円へと、約500億円も「減収」する計画になっているのだ。
「トランザクション(客数)が増えて、客単価も上がっているのに、なぜ売上が下がるんですか?」
私が会見でこう問いただしたのは当然の帰結だ。もしこれが民間企業の株主総会であれば、社長はその場で解任動議を出され、即刻クビになるレベルの失態である。
■ 責任を部下に丸投げする「裸の王様」
この矛盾を指摘された時の斎藤知事の狼狽ぶりは、見るに耐えないものだった。彼は「様々な要因を組み合わせながら…」と言葉を濁し、最終的にはこう言い放った。
「詳細については、観光部局の方に聞いていただければと思います」
耳を疑う発言だ。兵庫県の観光産業は、県内GDPの約6%を占める1兆4500億円規模の巨大ビジネスである。そのトップである知事が、自ら発表した経営目標の数字の整合性すら説明できず、「私は大きな方向性を示しただけ」と部下に責任を押し付けたのだ。
自らが「マネジメントは大事だ」と語った数分後に、マネジメントの放棄を公言する。これこそが、斎藤元彦という政治家の本質である。彼は数字など見ていない。理解もしていない。ただ、横文字を使って「仕事ができる自分」を演出したいだけなのだ。
■ 「消えた500億円」の正体と、見えていない現実
では、なぜ「客数増・単価増」なのに「売上減」になるのか。数字のトリックを紐解けば、恐ろしい現実が見えてくる。
国内日帰り客の「壊滅的減少」を示唆
この計算が成立する唯一の解は、「書かれていない数字」にある。それは「国内の日帰り観光客」だ。
表には出ていないが、外国人が増えても全体が500億円も減るということは、日本人の日帰り客が、500億円のプラスを相殺して余りあるほど激減するという予測が裏にあるはずだ。
円安でインバウンドは来るかもしれない。しかし、物価高に苦しむ日本人は、もはや神戸や兵庫に遊びに来なくなる――。県庁の事務方は、そんな冷徹で悲観的な予測を立てている。
しかし、斎藤知事はその「不都合な真実」を理解していない。もし理解していれば、「国内需要の落ち込みをインバウンドで補う苦渋の計画です」と説明できたはずだ。それすらできず、ただ華やかな数字だけを並べて悦に入っていた。
1兆円企業の社長気取りで、中身は空っぽ。兵庫県民は、この「裸の王様」に自分たちの財布と未来を預けているという危機感を、今すぐ持つべきである。
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