1/14(水)朝刊チェック:どうやら麻生太郎さんだけではなく鈴木俊一さんも玉木雄一郎さんも高市早苗さんにお怒りのようです。
記事の要約と図解
【結論】 高市早苗政権は、選挙実務(兵站)の軽視、党内調整の失敗、そして「解散時期の逸機」という三重の失策により、崩壊寸前にある。菅野完氏の分析によれば、次の選挙では「保守票の分散(レッドオーシャン化)」と「公明党票の消滅」が重なり、野党が人気を得ずとも自民党が自滅する形で敗北する「悪夢のシナリオ」が、統計的に避けられない状況となっている。
【ポイント3選】
1. 兵站の崩壊:候補者によるマイクロマネジメントと資材不足(ユポ紙・ワッポン)が現場を混乱させ、選挙の基礎体力を奪っている。
2. 仁義なき孤立:麻生・鈴木といった党内重鎮のメンツを潰し、国民民主・玉木氏との密約(大臣ポスト)も反故にしたことで、政権は完全に孤立した。
3. 統計的敗北:公明党という「下駄」を失った自民党は、低投票率と保守分裂の構造下において、組織票を持つ立憲・共産に「漁夫の利」を許す運命にある。


序文
私が菅野完でございます。1/14(水)朝刊チェックの時間がやってまいりました。頑張っていかなあかんなぁ~言うてるところなんですけど
本稿は、菅野完氏の分析に基づき、発足からわずかな期間で深刻な政治的危機に直面する高市早苗政権の実態を深掘りするものである。特に、政権の命運を握る解散総選挙を巡る戦略の致命的な混乱と、それがもたらしうる「悪夢のシナリオ」について、同氏独自の視点とデータに基づいた冷徹な論理を忠実に再現し、その核心に迫る。これは単なる政局解説ではない。現場の実務から党内力学、そして統計的予測までを貫く、一つの政権が崩壊に至るまでの克明な記録である。
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I. 選挙コンサルタントとしての実務と現場の混乱
選挙とは、政策論争やメディアでの華やかな演説といった表舞台だけで成り立つものではない。その根幹を支えるのは、候補者、秘書、そして数多くの業者たちが奔走する、極めて泥臭い「現場」の実務である。特に、選挙に不可欠な資材を確保し、それらを滞りなく供給する兵站(ロジスティクス)の構築は、勝敗を左右する生命線となる。このセクションでは、菅野氏が語る選挙現場の生々しい現実を通じ、政治活動の基本原則がいかに重要であるかを明らかにする。
深刻化する資材不足と地方特有の事情
ひとたび「解散風」が吹けば、全国の選挙事務所は一斉に臨戦態勢に入る。その瞬間、現場では供給を巡る熾烈な競争が勃発し、特に以下の問題が深刻化すると菅野氏は指摘する。
- 紙不足: 選挙の必須アイテムであるポスター用の「ユポ紙」や、政策を訴えるビラ用の紙が、全国的な需要の急増によって瞬く間に市場から枯渇する。印刷所も限られたキャパシティを奪い合うことになり、まさに「早い者勝ち」の様相を呈する。
- 地方特有の資材: 都市部の選挙ではあまり使われないが、地方においては必須となる資材の確保も大きな課題となる。田畑や空き地に設置する野立て看板用の「ベニヤ板」や杭、さらにはポスターを壁に固定するための粘着シール「ワッポン」など、その地域特有の物資が不足し、現場の活動を停滞させる要因となる。
- 地元業者優先の原則: こうした状況に対し、「選挙コンサルタントが資材を在庫・販売すれば儲かるのではないか」という安易な発想は通用しない。候補者にとって、選挙資材を地元の業者から購入することは、地域社会との人間関係を維持するための基本中の基本である。そのため、コンサルタントが全国の需要を見越して大量の在庫を抱えるビジネスモデルは、極めて高い在庫リスクを伴い成立しない。
「比較優位」の原則と政治家の本分
候補者自身が陥りがちな「万能感」と、それに伴うマイクロマネジメントの弊害も、選挙現場を混乱させる大きな要因である。菅野氏は、コンサルタントとしての視点から、その危険性を鋭く指摘する。
- 役割分担の重要性: 国会議員を目指すような人物は、デザイン、音楽制作、映像撮影までこなせる多才な人材が多い。しかし、物事には経済学で言うところの「比較優位」が存在する。菅野氏は「弁護士とタイピスト」の例えを引用し、たとえ弁護士がタイピストよりタイピングが速くても、弁護士は本来の専門業務に集中すべきだと説く。同様に、候補者の本分はただ一つ、「マイクを持って喋る」「一人でも多くの有権者と握手する」ことであり、それ以外のあらゆる業務は、彼らにとって最も貴重なリソースである「時間」の浪費に他ならない。候補者の唯一の仕事は、選挙戦の顔となり、声となることである。
- マイクロマネジメントの罠: 候補者は時間的制約から、全ての業務を自分でこなすことは物理的に不可能である。自身の秘書や依頼した業者の能力が自分より劣るように見えたとしても、彼らに業務を委任し、その進捗を管理することこそが政治家の本来の仕事である。デザインの細部にまで口を出し、自ら作業しようとする行為は、最も価値のある「候補者の時間」を浪費するだけであり、選挙戦略全体にとってマイナスでしかない。
こうした選挙現場の基本原則、すなわち兵站の確保と適切な役割分担を理解しないリーダーシップは、単に一つの選挙区の混乱に留まらない。それはやがて、党全体の人間関係を蝕み、政権の戦略そのものを根底から崩壊させる危険性をはらんでいるのである。
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II. 自民党内および与野党間に広がる高市早苗氏への怒り
選挙現場の混乱が個々の陣営の問題であるとすれば、高市総理の政権運営スタイルは、自民党の中枢や連立交渉の相手にまで深刻な亀裂を生じさせている。その結果、政権の求心力は急速に低下し、政治的孤立を深めている。このセクションでは、菅野氏が掴んだ情報に基づき、高市政権が直面する人間関係の崩壊という、より根深い問題の核心に迫る。
麻生太郎氏の「屈辱」と「仏の鈴木」の激怒
高市総理の唐突な解散示唆は、党内で多数派工作に奔走してきた重鎮たちの努力を無に帰し、激しい怒りを買った。
- 鈴木俊一幹事長の激怒: 党務を切り盛りする鈴木幹事長は、その温厚な人柄から「仏さんのような」と評される人物である。しかし、菅野氏によれば、その鈴木氏が周囲に「あいつのことが嫌いなんだ」と叫んだとされる。これは、今回の政権運営に対する彼の怒りと失望がいかに深いかを物語るエピソードである。
- 麻生太郎副総裁の屈辱: 麻生氏は、衆議院で過半数を維持し、不安定な参議院での支持を確保するため、プライドを捨てて多数派工作に動いていた。特に、参政党の神谷宗幣氏と面会せざるを得なかった状況を、菅野氏は「吉永小百合が生活のために丹古母鬼馬二と寝るようなもの」「長澤まさみが生活のために江頭2:50や菅野完と寝るようなもの」という強烈な比喩で表現する。麻生氏ほどの政治家にとって、これは「関心の股くぐりよりも屈辱的」な行為であった。この断腸の思いで進めた努力、究極の政治的犠牲こそが、高市総理の解散示唆によって一瞬で踏みにじられ、彼らの骨身を削るような仕事を全くの無意味なものに変えてしまったのである。
水面下の連立交渉と反故にされた大臣ポスト
政権の安定に不可欠だった国民民主党との連立交渉も、今回の騒動で完全に決裂した。菅野氏の分析によれば、鈴木幹事長は参議院での多数派を確保すべく、水面下で玉木雄一郎代表と交渉を重ね、玉木氏への大臣ポストまで用意していた可能性が高い。
しかし、この密約は一方的に反故にされた。激怒した玉木氏が参議院で全ての法案に反対する姿勢を見せれば、仮に衆議院選挙で自民党が勝利したとしても、単独で3分の2以上の議席を確保しない限り、法案審議は完全に停滞する。これは、今後の政権運営を不可能にしかねない、致命的な失策と言わざるを得ない。
菅野氏は、政治家に最も求められる資質を「一緒に仕事をしている人間の心を折らないこと」と定義する。高市総理は、この一点において致命的な欠陥を抱えている。かつて安倍晋三氏が高市氏を自身の派閥に戻さず、距離を置き続けたのも、この資質を見抜いていたからではないか。この人間関係の破壊は、政権の戦略的失策へと直結していく。
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III. 選挙戦略における失策と「筋」の議論
個別の人間関係の問題は、やがて国家の政権運営における「筋」(すじ)、すなわち政治的・戦略的な正当性の問題へと発展する。高市政権は、誕生直後に取るべきだった最善の選択肢をなぜ逸したのか。その戦略的失敗は、現在の苦境を必然的なものとしていた。
なぜ「11月解散」が定石だったのか
高市総理が誕生した直後の2025年11月こそが、解散総選挙を行う唯一無二のタイミングであった。プロの選挙関係者であれば誰もがそう予測していたと菅野氏は語る。その理由は、政治の「筋」から見れば明白であった。
- 新総裁の正当性: 連続する選挙での敗北を理由に石破茂氏からリーダーの座を引き継いだ以上、新しいリーダーとして国民の「信を問う」のは、政治的作法として当然の「筋」であった。
- 連立枠組みの変更: 30年間続いた自公連立が解消され、政権の枠組みが根本的に変わった以上、その新しい体制に対しても国民の信任を得るという「筋」を通す必要があった。
- 人気のピーク: トランプ前大統領との会談直後は、メディアの注目も集まり、まさに人気の絶頂期だった。この勢いを最大限に活用し、選挙に臨むべきだったのは言うまでもない。
この絶好の機会を逃した判断ミスは、取り返しのつかない戦略的失策であった。
1選挙区あたり「1.5万〜3万票」の喪失
30年間続いた自公連立の解消は、単なる枠組みの変更ではない。それは、自民党にとって致命的とも言える組織票の喪失を意味する。菅野氏の分析によれば、全国で600万票と言われる創価学会の票は、自民党候補者にとって各選挙区で1.5万票から3万票の強力な「下駄」として機能してきた。
公明党との協力関係を失った今、自民党はこの強固な基礎票を失った状態で選挙を戦わなければならない。特に接戦区において、この票数の喪失がもたらす影響は計り知れない。
この「解散時期の逸失」という戦略的判断の誤りと、「公明党票の喪失」という組織的ハンディキャップ。この二重苦が、世論調査の数字には表れない形で、自民党の足元を静かに、しかし確実に蝕んでいる。次のセクションでは、多くの人々を惑わす「数字の罠」を解き明かす。
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IV. 世論調査の読み方と選挙実態の乖離
多くのメディアやネット世論が喧伝する「高市人気」。しかし、その熱狂と、実際の選挙結果との間には、深刻な乖離(かいり)が存在する。データや世論調査の数字を鵜呑みにすることは、極めて危険な判断ミスを招きかねない。このセクションでは、菅野氏が警告する「数字の罠」の実態に迫る。
「大日本帝国陸軍参謀本部」化する楽観論
菅野氏の分析によれば、現在、高市総理の陣営と、麻生・鈴木氏ら党執行部とでは、見ている「数字」が全く異なっている。
- 高市総理が見ているのは、ネット世論調査などに代表される、選挙の実態を反映するための**補正が加えられていない「生の数字」**である可能性が高い。そのため、「やれば勝てる」という楽観論に傾いている。
- 一方、麻生氏らは、過去の選挙データや現場の情勢を加味した**「ガチの数字」**を注視しており、深刻な危機感を募らせている。
都合の良い数字だけを信じ、「イケイケどんどん」で突き進む状況を、菅野氏は、大本営発表を信じ込み破滅へと向かった「大日本帝国陸軍参謀本部」や、戦果を誤認した「台湾沖航空戦」の故事になぞらえ、痛烈に批判する。現実を直視しない楽観論は、組織を崩壊へと導く。
支持率は高いが、選挙で勝てない現実
「高市人気は本物だ」という主張を菅野氏は否定しない。しかし、その人気が自民党の選挙での勝利に全く結びついていないという冷厳な事実を、具体的なデータが突きつけている。
- 地方での連敗: 高市政権が発足して以来、沖縄、前橋、葛飾など、全国各地で行われた首長選や地方議会選挙で、自民党は連敗を続けている。高い支持率が、実際の投票行動に反映されていないことの何よりの証左である。
- 支持率データの比較: NHKの世論調査によれば、自民党が大敗した2024年10月の衆院選直前(9月)の支持率は31.3%32.2%公明党の組織票が完全に失われているからだ。
結論は明らかである。「高市総理『だけ』が人気」なのであり、その人気は自民党全体の支持拡大や選挙での勝利にはつながっていない。この構造的な問題を無視したまま選挙に突入すれば、統計的に導き出される「悪夢のシナリオ」が現実のものとなるだろう。
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V. 統計的予測に基づく「悪夢のシナリオ」
これまでの分析を統合すると、多くの人々が予想だにしていない、しかし極めて現実的な選挙結果が浮かび上がってくる。菅野氏が最も恐れる「悪夢のシナリオ」は、単なる悲観論ではない。それは、公開されているデータと選挙の基本原則に基づいた、冷徹な統計的予測なのである。
「長田町のクロちゃん」が漁夫の利を得る構造
菅野氏が描く悪夢の構造は、極めて逆説的である。まず明確にすべきは、このシナリオは立憲民主党が突然人気を得るという話では断じてない、ということだ。むしろ、その正反対である。
立憲民主党は、菅野氏の言葉を借りれば「長田町のクロちゃん/ふわちゃん」のような、多くの有権者から好かれていない存在かもしれない。しかし、悪夢のシナリオはそこから始まる。現在の政治状況では、自民党、国民民主党、参政党が、同じ「保守・中道層の無党派層」という限られたパイを奪い合う「レッドオーシャン」状態にある。保守勢力が互いに票を削り合った結果、たとえ立憲民主党自身の得票が全く伸びなくても、相対的に選挙区で勝利してしまうという事態が発生する。
この状況は、強烈な比喩で説明できる。自民党を、公明党の組織票という「下駄」を履いて身長2mを誇っていた元バレーボール選手の朝日健太郎だとしよう。その彼が、下駄を脱がされ、さらに支持層の分裂で身長が168cmまで縮んでしまう。一方で、他の小柄な候補者たちの身長がわずかに伸びる。その結果、誰も注目していなかったはずの候補者が、相対的に最も背が高くなってしまう。これが、立憲民主党が漁夫の利を得るメカニズムである。
投票率低下が牙を剝く「組織票」の強み
さらに、選挙の時期が真冬(2月)になる可能性が高いことも、自民党にとって致命的な不利に働く。それは、投票率と組織票の関係に起因する。
- 自民党の体質変化: かつて言われた「投票率が下がると自民党に有利」という神話は、もはや過去のものである。小泉政権以降、自民党は強固な組織票に支えられた政党ではなく、「無党派層頼み」の政党へと体質を変化させている。この神話は、公明党の組織票が存在した時代のものであり、今や通用しない。
- 組織票を持つ政党の優位性: 選挙の鉄則として、投票率が下がれば下がるほど、強固な組織票を持つ政党が相対的に有利になる。具体的には、労働組合などを支持基盤に持つ立憲民主党や共産党である。公明党を失い、かつ真冬の選挙で投票率が低下するという二重苦は、無党派層の支持に依存する現代の自民党にとって致命傷となりかねない。
現実味を帯びる悪夢
結論として、菅野氏が提示するこのシナリオは、決して突飛な憶測ではない。公開されている世論調査の数字、過去の選挙結果、保守票の分裂という構造、そして投票率と組織票の関係という選挙の基本原則。これらを論理的に積み重ねていくと、必然的に導き出される、極めて現実的な予測なのである。「高市人気で自民党が圧勝する」という一部の楽観論が、いかに現実から乖離し、根拠薄弱であるか。この悪夢のシナリオは、我々に強い警鐘を鳴らしている。
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