記事の要約と図解
【結論】 高市早苗政権は「あと10年」続くべきである。なぜなら、彼女の実務能力の欠如と自民党の伝統的合意形成システムの破壊こそが、腐敗した「保守」を解体し、日本を「死」から再生させるための最短ルート(加速主義)だからだ。中途半端な政権交代は、参議院の基盤(60議席)が脆弱なため、かえって自民党との大連立という悪夢を招く。
【ポイント3選】
1. 権力の源泉は参議院にあり:衆院で勝っても参院で過半数がなければ、予算も法案も通らない。現在の野党の参院勢力(約60議席)では、政権維持のために自民党に泣きつく未来しか見えない。
2. 高市政権による自民党の「安楽死」:高市氏は自民党の強みであった「徹底した党内議論(螺旋階段)」を理解していない。彼女がトップに居続けることで、自民党は組織として機能不全に陥り、10年早く「死ぬ」ことができる。
3. 「愛国」のメッキが剥がれる日:2月8日のUAE大統領国賓来日と総選挙日程を重ねるという致命的な実務ミスは、彼らの言う「保守」「伝統」がいかに空疎なものであるかを証明している。

序論:絶望的な数字を直視せよ
世の中には、物事の「表面」しか見えていない連中があまりにも多すぎる。
ネットで威勢のいいことを叫ぶ「保守」も、理想論ばかり並べる「リベラル」も、どっちもどっちだ。今日は、あえて言わせてもらう。「高市早苗さんが総理大臣で本当に良かった」。そして、「この悪夢のような政権があと8年、いや10年続いてほしい」と。
ふざけているわけではない。これは冷徹な計算に基づいた、日本が再生するための唯一の「処方箋」だ。
なぜ、今すぐに政権交代をしてはいけないのか。なぜ、高市早苗という存在が自民党を「殺す」劇薬になるのか。そのロジックを徹底的に解説する。
本論①:政権交代という「地獄」の罠
多くの人間が、選挙となると「どこの政党が勝つか」という人気投票の側面しか見ていない。だが、統治のプロフェッショナルが見ているのはそこではない。権力の構造だ。
参議院「60議席」の絶望的現実
はっきり言っておく。今回の中道改革連合にとっての最悪のシナリオは「選挙に勝ってしまうこと」だ。
日本の権力構造の根幹は、実は衆議院ではなく参議院にある。かつて田中角栄が「権力の源泉は参議院の1人区にある」と見抜いていた通りだ。参議院を制圧し、過半数を握らなければ、権力などただの飾りだ。
現状を見ろ。野党勢力(立憲+国民+その他)の参議院議席数は、合わせてやっと60議席程度だ。
この状態で衆議院だけ勝って、野田あるいは枝野政権が誕生したらどうなるか。
予算は通らない。法律も通らない。人事も決まらない。「決められない政治」という地獄が到来する。自民党は参議院で否決を連発し、国民の期待は一瞬で失望に変わるだろう。
安住淳の「政治芸術」ですら壁は超えられない
今回の中道改革連合を巡り、安住淳という男が見せた手腕は見事だった。背の低い「ド左翼」でありながら、公明党を飲み込み、骨抜きにするという離れ業。これは20年に一度見られるかどうかの「政治芸術」だ。
一般人にはその味はわからないかもしれない。アイミョンを聞いて「いい曲だね」と言うのが健全な一般人なら、安住がやったことは、タワーレコードの4階の奥で売っているアフリカの民族音楽のレコードを聞いて「このグルーヴがすごい」と言っているようなものだ。玄人だけが唸ればいい。
だが、その芸術的な手腕をもってしても、参議院の数という「物理的な壁」は超えられない。
もし今政権を取れば、何も決められない野党は、政権維持のために宿敵・自民党に頭を下げ、「大連立」を組むしかなくなる。これこそが最悪の裏切りであり、野党勢力の完全消滅を意味する。「勝って兜の緒を締める」どころか、「勝って首を吊る」ことになるのだ。
本論②:高市早苗という「自民党破壊装置」
私が高市政権の長期化を望む最大の理由は、彼女こそが、戦後日本を支配してきた「自由民主党」というシステムを内部から破壊し、死に至らしめる最適な人材だからだ。
「育成システム」の完全破壊
かつての自民党には強さがあった。「螺旋階段」のような徹底した党内議論のシステムだ。右から左までが殴り合い、妥協点を見出すプロセスを経て、強靭な政治家が育っていた。
だが、高市早苗はこの育成システムから落ちこぼれ、一般党員票というポピュリズムの風に乗って総裁になった。彼女は、党内の面倒な調整や議論を「政治の都合」で封殺しようとする。
高市がトップに居座り続ける限り、自民党の伝統的な強さは失われる。人材は育たず、組織は弱体化し、社民党のようなイデオロギーだけの活動家集団へと変質していくだろう。
自民党が20年かけて緩やかに死ぬところを、高市なら10年で殺してくれる。だから、彼女には続けてもらわなければならないのだ。
「愛国」という名の無能:2月8日UAE事件
そしてもう一つ。高市政権が続くことで、いわゆる「ネット右翼」たちが信奉する「愛国」がいかに中身のないものであるか、白日の下に晒されることになる。
その決定的な証拠が、今回の解散総選挙の日程だ。
政府は以前から、2月8日にUAE(アラブ首長国連邦)の大統領を国賓として招くことを決めていた。日本のエネルギー政策にとっても極めて重要な同盟国であり、天皇陛下による歓迎行事や晩餐会が行われるはずだった。
ところが、高市早苗は何をしたか。あろうことか、その2月8日を選挙日程にぶつけたのだ。
国賓をお迎えし、天皇陛下が外交儀礼を行っているその真裏で、総理大臣が選挙カーの上で叫び、あるいは開票速報を見ながら「ちくしょう」とタバコを吸うのか?

ロングドレスを着て宮中晩餐会に出るべき時間に、選挙事務所で万歳三唱をするのか?
これは「愛国者」のやることではない。
さらに言えば、この時期は医学部の入試や首都圏の中学入試とも重なる。交通規制と選挙カーの騒音で、受験生や市民生活は大混乱だ。
実務を知らない素人のやることだ。社会的に評価されず、実務能力もない人間が、自分を大きく見せるために「日の丸」という下駄を履いている。その痛々しい現実を、国民全員が直視することになる。
本論③:維新の崩壊とフリーランスの「ドス黒い本音」
ついでに、もう一つの「偽物」の末路にも触れておこう。日本維新の会の崩壊だ。
支持率が3.7ポイントも下落し、瀕死の状態にある彼らだが、理由は単純だ。「顧客」がいなくなったからだ。
維新を支えていたのは、大阪のおっちゃんおばちゃんではない。「腕一本で年収600万〜3000万を稼ぐフリーランス」たちだ。彼らのルサンチマンの源泉は、「国民健康保険料(国保)」の高さにある。
「俺が必死に稼いだ金が、なんで働かない老人やナマポのために使われるんや!」
維新が叫ぶ「身を切る改革」や「自助」は、この層の「税金を払いたくない」「弱者を支えたくない」というドス黒い欲望に突き刺さっていた。
だが、万博の失敗やパワハラ騒動で、維新に「実務能力がない」ことがバレてしまった。「こいつらに任せても、俺たちの得にはならない」。そう気づいた瞬間、フリーランスたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。理念なき利益誘導集団の末路など、いつもこうやってあっけないものだ。
結論:戦略的「敗北」のすすめ
以上のロジックから導き出される答えは一つだ。
今回の選挙における日本のベストシナリオは、「中道改革連合が、比較第一党まであと2議席の差で、ギリギリ負ける」ことだ。
それなら自民党は過半数割れで死に体となり、野党はキャスティングボートを握りながら、次の参院選で1人区をひっくり返す準備ができる。
中途半端に高市を下ろしてはいけない。彼女には、その無能さをフルに発揮してもらい、自民党という巨大なシステムを完全に破壊し尽くすまで、その座にしがみついていてもらわなければならない。
「勝って地獄」を見るより、「負けて希望」を繋げ。
それが、日本が「次」の時代へ進むための、最も痛みを伴うが確実な禊(みそぎ)なのだ。

人気ブログランキング




コメント