南鳥島レアアースの【真相】中国産20倍の罠と日本を蝕む精神論 | 菅野完 朝刊チェック 文字起こし
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「コスト20倍」を「価値20倍」と誤読する社会:資源大国という幻想から目を覚ませ

2026/2/19レアアースバカ

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記事の要約と図解

【結論】 南鳥島のレアアースを巡る「完全自給自足」の夢は、現実のコストを無視した希望的観測に過ぎない 。他国を見下すだけの「臆病な自尊心」を捨て、大国に依存してでも泥臭く生き残るリアリズムを取り戻すべきである 。

【ポイント3選】

  • 事実の誤読: 南鳥島レアアースの「中国産の20倍の価値」はデマであり、実際は「20倍の採掘コストがかかる」のが現実である 。
  • 主権国家の現実: 真の意味で自給自足が可能な国家は、世界でもアメリカ、中国、ロシアなどごく一部に限られ、日本にその能力はない 。
  • 戦後右翼の凄みと現代の病理: かつては泥水をすすってでも国民を食わせる覚悟があったが、現代は『山月記』の李徴のような「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」に蝕まれている 。

■ 【徹底解説】南鳥島「スーパーレアアース」報道の落とし穴と、日本を蝕む「精神論」の正体

「中国産の20倍の価値」という無邪気な熱狂の正体

南鳥島沖でのレアアース採掘に成功したという話題が、一部のSNSやネット界隈で熱狂を生んでいる。 中には「中国産の20倍の価値を持つスーパーレアアースだ」と喧伝し、大はしゃぎする著名な登山家まで現れる始末だ。 しかし、少し調べればこれが完全なフェイク、あるいは絶望的なまでの「誤読」であることがわかる。

第一生命経済研究所などの試算によれば、中国産レアアースの平均取引価格が1トンあたり約3,600ドルであるのに対し、南鳥島産の価格は採掘から輸送、精錬などのコストを加味すると約7万ドルにも跳ね上がる。 つまり、「20倍の価値」があるのではなく、「中国産の20倍のコストがかかる」というのが冷酷な現実なのだ。 この圧倒的なコスト差を揶揄したネット上の皮肉を、文字通り「20倍の価値」だと勘違いして食いついてしまう。 これは特定の個人を責めるべき問題というより、知的訓練を受けていない人間が専門外の社会的事象に首を突っ込むと、エベレストに登れない素人が遭難するのと同じように、あっさりとフェイクニュースに遭難してしまうという構造的な喜劇である。

幻想の「完全自給自足」と日本の現実

真に自立できる「主権国家」は世界に3つしかない

このレアアース騒動の根底にあるのは、「日本も自前の天然資源だけで自立できるのではないか」という淡い期待だ。 しかし、我が国が自前の資源で自立し、ブロック経済で生き抜くことは不可能である。 これは、80年前に国を焼け野原にしてまで払った多大な犠牲の上に学習したはずの事実である。

中国人の冷徹な国際感覚からすれば、世界に本当の意味での「主権国家」は3つか4つしかない。 アメリカ、中国、ロシア、そして強いて言えばインドくらいだ。 それ以外の国はすべて、これら大国の衛星国家に過ぎない。 他国の世話にならず、完全に鎖国状態になっても自給自足でやっていける実力を持つ国は、この3カ国しか存在しないのが現実なのである。

戦後日本のリアリズムと、現代の「精神論」の対比

泥をすすってでも国民を食わせた「戦後右翼」の凄み

現実を直視できない人間は、メンツやプライドを満たすだけの腹の足しにならない「精神論」に逃げ込む。 現代の自称・愛国者たちは、やれレアアースだ、やれ自立だと騒ぎ立て、他国を見下すことで溜飲を下げている。 だが、かつての戦後右翼は違った。

彼らには「理屈はどうあれ、アメリカのケツを舐めてでも金を引っ張ってきて、国民に飯を食わせる」という泥臭い根性があった。 「植民地と笑いたければ笑え、売国奴と罵りたければ罵れ。それでも俺が国民を食わしているんだ」という開き直りこそが、彼らの存在価値であり、凄みだったのだ。 食料自給率を100%にすることすら不可能なこの国で生きていくためには、アメリカであれ中国であれロシアであれ、舐められるものは舐めて生き残るしか道はない。 「かっこ悪い」と意地を張り、現実を無視して暴走した結果が、あの敗戦という歴史的教訓ではなかったのか。

結論:幻想を捨て、等身大の国家として生き抜くために

日本を蝕む「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」

中島敦の名作『山月記』に登場する李徴は、自らのプライドの高さと現実とのギャップに苦しみ、ついには発狂して虎になってしまう。 彼は自身の破滅の理由を「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」のせいだと述懐する。 己の能力不足を認めることを恐れ、他者と切磋琢磨することも、俗世間に交じることも潔しとしなかった結果、獣に成り果てたのだ。

現代の日本を覆っている病魔の正体も、まさにこれと同じである。 現実の国力低下から目を背け、存在しない「スーパーレアアース」の幻想にすがり、他国を嘲笑することでしか自尊心を保てない。 これは特定の政治家のせいではない。日本という国全体を蝕む宿痾(しゅくあ)である。

生きるのをやめ、無意味な精神論にすがるのはもうやめにしよう。 等身大の現実を受け入れ、泥にまみれてでも生き残る。そのリアリズムを取り戻すことこそが、今の日本に最も求められていることである。

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