1. 政局の動向と転換点
自公連立政権の崩壊と新政権の模索
現在の政局の転換点は、自民公明連立政権の崩壊(10月10日)にあります。この出来事によって、政界は激動の渦中にあり、わずか1週間が半年分にも感じられるほどだと述べられています。
この崩壊の最大要因は「政治と金」の問題であり、特に萩生田光一氏の副幹事長への選出が公明党の連立離脱の表面的な理由として使われたと分析されています。
政権の座をめぐる動向として、次の2つの軸での多数派工作が焦点となっています。
- 自民・維新連合:自民党と日本維新の会が連立協議へ進むという報道があり、これによって次期政権の要諦が変わるとされています。
- 野党連立:国民民主党、立憲民主党、公明党の連合に維新が加わるかどうかも、政権の行方を左右する重要なポイントです。
高市政権による「反動政権」の出現
自民党が維新、N国、参政党と手を結び、「高市自民維新N国参政政権」が誕生する可能性が議論されており、これは**「真の意味での反動政権」**が生まれることを意味するとされています。
菅野氏の視点によれば、これは明治以来、日本が反動的でありながら反動ではないという建前を維持してきた慣行を覆し、「反動であることを剥き出しにする」政権になるとされます。これは「思想の地図から考える150年に一度の好機到来」であり、リベラルサイドにとって平和と人権の旗を堂々と掲げるべき転換点であると捉えられています。
2. 高市氏への特異な期待と評価
自民党崩壊の加速装置としての高市氏
発言者である菅野氏は、心底から高市早苗氏が内閣総理大臣になることを強く望んでおり、その実現を「大歓迎」としています。
しかし、この期待は彼女の政策や能力への賛同から来るものではなく、むしろ**「最大破壊者 高市早苗」**が総理になることで、自民党と霞が関が「ボロボロに」なり、自民党の崩壊が早まると見ているためです。高市氏の政権誕生は、「次期選挙が楽になる」唯一の国内改革の法策であり、自民党がボロボロになることを通じて、結果的に現行の政治体制を破壊し、変革を促すという加速主義的な期待が込められています。
高市氏は、彼女がボスになることで「あらゆるものを破壊する」存在であり、関西の有名人で言えば「籠池諄子さんにそっくり」だと強烈に喩えられています。
高市氏の政治的資質への批判
一方で、高市氏の政治家としての資質については厳しい評価が下されています。
- 「天下人の器」の欠如:高市氏には、石破茂氏や安倍晋三氏が持っていたような、予期せぬ幸運が巡り巡って本人の成功に繋がるという「天下人(てんかびと)」としての巡り合わせ(天下人という器)が欠けているとされています。
- 繰り返される失敗パターン:彼女の政治行動は、段取りの悪さや間の悪さ、人々の心を踏みにじるやり方など、「同じ失敗をずっと繰り返し」ているパターンだと指摘されています。特に、奈良県知事選挙における自民党奈良県連の分裂を招いた経緯(自民党の票が割れて維新が漁夫の利を得た顛末)は、彼女の拙速な行動と根回し不足が原因だったと詳細に説明されています。
- 「適正」の問題:高市氏の政治への関わり方は、能力や才能ではなく「適正」の問題であり、常に表面的なアクセサリー(金歯やフェラーリの比喩)を作りたがるタイプだと批判されています。
女性政治家としての高市氏
高市氏が女性として初めての総理になろうとしている点については、フェミニズムの観点から厳密な考察が求められています。
フェミニズムは女性の社会進出を目指す思想ではなく、「女性を女性としてしか扱わない考え方を破却する思想」であると定義されており。そのため、高市氏のような、むしろ家父長制的な構造を温存しようとする(核家族制を残置しようとしている)人物をフェミニストが歓迎しないのは「当然」であるとしています。
リベラルサイドに対し、高市氏を「名誉男性」と呼んだり、その「女性性」や「容姿をいじる」批判は、彼女が目指す反動政権と戦う上で絶対に避けるべきであると強く警告しています。なぜなら、そうした言動は、家父長制的な考え方(ミソジニー)を克服できていない証拠であり、反動政権と対峙するための足かせ(不良債権)となるからです。
結論として、高市氏の政権誕生は、自民党を崩壊させ、日本に「反動」をむき出しにさせる歴史的な好機をもたらすと期待されており、その結果、高市氏とは対極にある「平和と人権とフェミニズム」の旗を掲げるべき時が来たと、この菅野氏は主張しています。
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